この記事のポイント
- いつ:2026年9月2日、ドイツ・ベルリンで開催のIFA 2026 next@acer 発表会
- 何が:Acerが7インチゲーミングハンドヘルド「Predator Atlas 7」(型番PA07-I51)を発表
- スペックの目玉:最上位構成はIntel Arc G3 Extreme+Arc B390を搭載
- 価格・発売:価格は全地域とも未公表。発売は北米が2026年第4四半期、EMEAが11月から。日本は時期・価格とも未発表
- 併せて発表:変形コンセプト機「Project DualPlay Mini」も披露されたが、量産計画はまだ無い
7インチ・FHD・120Hzに凝縮——最上位構成はArc G3 Extreme+Arc B390
Predator Atlas 7は7インチFHD(1920×1080・16:9)のタッチディスプレイを採用します。主なディスプレイ仕様は次の通りです。
- 120Hz・VRR(可変リフレッシュレート、映像のコマ落ちやカクつきを抑える技術)対応
- 輝度500nit
- パネル保護はCorning Gorilla Glass Victus
- sRGB 100%カバー・10点マルチタッチ対応
プロセッサは最上位構成でIntel Arc G3 Extreme(CPU)+Arc B390(GPU)を積みます。下位構成はArc G3+Arc B370です。
いずれもPanther Lakeベースの14コアCPUで、Extreme版はXe3コア12基のArc B390(約2.3GHz)、標準版はXe3コア10基のArc B370(約2.2GHz)を組み合わせます。Arc B390は前世代Lunar Lake内蔵GPU比で約70%、Core Ultra 9 288V比で最大77%のゲーム性能向上とされています。
メモリ・ストレージは最大24GB LPDDR5x・最大1TB PCIe Gen4 NVMe SSDまで選べます。
重量と駆動時間を選ばせる2構成、80Wh・750g未満か60Wh・700g未満か
バッテリーは2構成から選べます。駆動時間を優先するなら80Wh版(重量750g未満)、携帯性を優先するなら60Wh版(重量700g未満)です。いずれも重量は上限値のみの公表で、公表値どうしでは50gの差ですが、実際の差は未公表です。どちらを取るかを購入時に選ばせる設計です。
冷却はデュアルファン構成で、公式リリースによればPredator AeroBladeのメタルファン(89枚羽根・厚さ0.1mm)とVortex Flowの気流設計を組み合わせています。7インチという限られた筐体に、2基のファンと専用の気流設計を収めた形です。
TMRジョイスティックは選択制、Hallトリガーと背面マクロボタンも備える
操作系では、TMR(磁気抵抗式)ジョイスティックがオプション選択制である点に注意が必要です。TMRはスティック内部の抵抗変化を磁気で検出する方式で、ゼロデッドゾーン(入力の遊びがほぼ無い)かつ経年劣化によるドリフト(勝手に入力が入る不具合)に強いのが特長です。購入時に構成表でTMRの有無を確認する必要があります。
一方、Hall効果トリガー(摩耗に強い磁気センサー式のアナログトリガー)と背面マクロボタンも備えます。
インターフェースはデュアルThunderbolt 4・UHS-II対応microSDカードリーダー・3.5mm複合オーディオジャックです。無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応し、OSはWindows 11 Homeです。Xbox Game Pass 2ヶ月分+PC Game Pass 2ヶ月分が付属すると報じられていますが、単独ソースのため確定情報としては扱いません。
Atlas 7の価格は全地域で未公表、判明しているのは上位機Atlas 8の英国4構成だけ
Atlas 7自体の価格は、発表時点で全地域とも言及がありません。同じArc G3/G3 Extremeを積む上位機Predator Atlas 8については、すでに価格が判明しています。Atlas 8はComputex 2026(2026年5月28〜29日)で発表済みで、北米・EMEA・豪州で2026年10月発売、英国では4構成の価格が確定しています。
| 構成 | プロセッサ | メモリ | ストレージ | バッテリー | 英国価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① | Arc G3 | 16GB | 512GB | 60Wh | £999.99 |
| ② | Arc G3 | 24GB | 512GB | 60Wh | £1,099.99 |
| ③ | Arc G3 Extreme | 24GB | 1TB | 80Wh | £1,299.99 |
| ④ | Arc G3 Extreme | 32GB | 1TB | 80Wh | £1,499.99 |
ただしAtlas 8は8インチ・1920×1200・120Hz VRR・500nitの別モデルです。パネルサイズも構成の組み合わせも異なるため、上表はあくまでAtlas 8という別機種の実売価格であり、Atlas 7の価格を割り出す材料にはなりません。
発売済みのROG Xbox Ally($599.99)とAlly X($999.99)を並べる
7インチ級で発売済みの機種の実勢価格も、この市場の相場を知る材料になります。
| 機種 | プロセッサ | メモリ/ストレージ | バッテリー | 重量 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| ROG Xbox Ally(7インチFHD 120Hz) | AMD Ryzen Z2 A | 16GB/512GB | 60Wh | 670g | $599.99 |
| ROG Xbox Ally X | AMD Ryzen AI Z2 Extreme | 24GB/1TB | 80Wh | 715g | $999.99 |
| Valve Steam Deck OLED(7.4インチOLED・参考価格) | ― | ―/512GB | ― | ― | $789 |
いずれもAtlas 7とは別の機種の価格です。Atlas 7は構成別の内訳(メモリ・ストレージ・バッテリーの組み合わせ)すら公表されていないため、これらを並べてもAtlas 7がいくらになるかは見積もれません。7インチ級がどの価格帯で売られているか、という相場の把握にとどめるのが正確です。
発売は北米が2026年第4四半期・EMEAが11月から、日本は時期・価格とも未発表
発売時期は地域ごとに異なります。北米が2026年第4四半期、EMEAが2026年11月から順次発売予定です。
日本については、日本語の製品ページ自体は存在するものの、発売時期・価格の記載はありません。憶測で発売時期を予想せず、公式発表を待つ必要があります。
同時発表の「Project DualPlay Mini」は変形コンセプト機、量産計画はまだ無い
同じIFA 2026の発表会では、Project DualPlay Miniというコンセプト機も披露されました。8インチのディスプレイをフリップ&スイベル式(画面を反転・回転させる機構)で操作し、その下に物理キーボードを内蔵しています。ハンドヘルド形態とミニノートPC形態の間で変形します。
ただしこちらはあくまでコンセプト段階です。プロセッサは「Intel製」とのみ明かされ、型番・スペック・価格・発売時期はすべて未定です。Acer自身が商用化の具体的な計画は現時点で無いと明言しており、市販が決まっているAtlas 7とは扱いを分けて理解する必要があります。
まとめ
Predator Atlas 7は、7インチクラスとして最大Arc G3 Extreme+Arc B390を積める点が最大の特徴です。ディスプレイは120Hz・VRR対応、バッテリーは80Wh・750g未満と60Wh・700g未満のどちらかを選ぶ設計になっています。
価格と日本での発売時期はいずれも未発表で、現時点でAtlas 7がいくらになるかを見積もる材料はありません。続報でまず埋まるべき空白は、構成ごとのメモリ・ストレージの組み合わせと、TMRスティックがどの構成に含まれるかの2点です。購入を検討するなら、この2点が公表されてから判断するのが確実です。同時発表のProject DualPlay Miniは変形コンセプト機で量産計画はまだ無く、Atlas 7とは区別して理解する必要があります。
編集後記
80Wh・750g未満か60Wh・700g未満か、バッテリー容量と重量のどちらを優先するか選ばせる構成は、なかなか思い切った設計だなという印象です。TMRスティックまでオプション選択制と知って、購入前に構成表とにらめっこする自分の姿が目に浮かびました。
— CODE. 編集部

