エレコムが世界初!ナトリウムイオンバッテリー搭載モバイルバッテリーとは
近年、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの普及に伴い、モバイルバッテリーの需要はますます高まっています。しかし、従来のモバイルバッテリーに広く使われているリチウムイオン電池には、資源の偏在や安全性、環境負荷といった課題がありました。
そんな中、エレコムが世界で初めて製品化したのが、ナトリウムイオンバッテリーを搭載したモバイルバッテリーです。ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池の課題を解決する次世代のバッテリーとして注目されており、資源が豊富で、安全性が高く、環境負荷も低いという特徴があります。
エレコムのナトリウムイオンモバイルバッテリーは、これらの特徴を活かし、**「より安全で、より環境に優しく、より長く使える」**モバイルバッテリーとして、私たちのモバイルライフに新たな選択肢を提供します。
本記事では、この画期的なモバイルバッテリーについて、その特徴やメリット・デメリット、そしてエレコムがなぜナトリウムイオン電池を選んだのか、その開発秘話に迫ります。
エレコム「DE-C55L-9000」シリーズの特長・仕様を徹底解説
エレコムが世界に先駆けて発売するナトリウムイオンモバイルバッテリー「DE-C55L-9000」シリーズは、ブラック(DE-C55L-9000BK)とライトグレー(DE-C55L-9000LGY)の2色展開。その主な特徴は以下の通りです。
- 世界初※のナトリウムイオン電池採用:
- 資源の偏在リスクが低いナトリウムを使用し、安定供給に貢献。
- コバルトやリチウムを使用しないため、環境負荷を低減。
- 高い安全性:
- 熱暴走しにくく、発火のリスクを抑制。
- 過充電、過放電、過電流、短絡保護機能に加え、温度検知機能(サーマルプロテクション)も搭載。
- 優れた温度耐性:
- -35℃~50℃の幅広い温度範囲で使用可能。
- 寒冷地や高温環境下でも性能を発揮。
- 長寿命:
- 約5000回の充放電サイクルを実現。
- 毎日使っても約13年間使用可能(※エレコムの試験結果に基づく)。
- USB Power Delivery対応:
- USB Type-Cポートは最大45W出力/30W入力に対応。
- スマートフォンだけでなく、タブレットやノートPCの充電も可能。
- 便利な機能:
- 「まとめて充電」「おまかせ充電」「低電流モード」など、多彩な機能を搭載。
- LEDランプで電池残量を確認可能。
- 持ち運びに便利なUSB Type-C – USB Type-Cケーブルを付属。
- 地球環境に配慮した製品:
- プラスチック素材の使用量を削減した、環境に配慮した製品。(THINK ECOLOGYマーク表示製品)
スペック | DE-C55L-9000シリーズ |
電池種類 | 充電式ナトリウムイオン電池 |
定格容量 | 9000mAh (3.0V換算) |
入力 | USB Type-C: 5V/3A, 9V/3A, 12V/2.5A, 15V/2A, 20V/1.5A |
出力 | USB Type-C: 最大45W (5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/2.25A)、USB-A: 12V/1.5A(最大18W)、合計最大20W |
ポート数 | USB Type-C×1、USB-A×1 |
サイズ | 約 幅87×奥行31×高さ106mm |
重量 | 約350g |
充電時間 | 約2時間(製品本体のみを充電した場合) |
その他 | PPS(Programmable Power Supply)対応、各種保護機能搭載、低電流モード搭載 |
※ナトリウムイオン電池を採用したモバイルバッテリー(製品)/容量 9,000mAh・USB Type-C対応(45W出力・30W入力)に関する市場調査 「世界初」検証調査(㈱未来トレンド研究機構 調べ):2024年11月27日時点
ナトリウムイオン電池とは?仕組み・メリット/デメリットをリチウムイオン電池と比較
ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池に代わる次世代の蓄電池として注目されています。その名の通り、リチウムの代わりにナトリウムをイオンの運び手として利用する電池です。
仕組み:
基本的な仕組みはリチウムイオン電池と同じです。正極と負極の間をナトリウムイオンが移動することで充放電を行います。
- 充電時: ナトリウムイオンが正極から負極へ移動し、負極に蓄えられる。
- 放電時: 負極に蓄えられたナトリウムイオンが正極へ移動し、その際に電子が外部回路を流れて電力を供給する。
メリット:
- 資源の豊富さ: ナトリウムは地球上に豊富に存在する元素であり(地殻中に6番目に多く存在)、リチウムのように資源の偏在や枯渇の心配が少ない。
- 安全性: ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池に比べて熱安定性が高く、発火や爆発のリスクが低いとされています。
- 低温特性: 低温環境下でも性能が低下しにくい特性があります。
- コスト: 将来的には、リチウムイオン電池よりも低コストで製造できる可能性があると期待されています。
デメリット:
- エネルギー密度: リチウムイオン電池に比べてエネルギー密度が低い(同じサイズ、重量で蓄えられる電力量が少ない)ため、モバイルバッテリー用途では大型化・重量増につながる可能性があります。
- 技術的な成熟度: リチウムイオン電池に比べて研究開発の歴史が浅く、まだ性能面で改善の余地があります。
- 充放電サイクル寿命: 理論上はリチウムイオン電池より長寿命ですが、現時点の製品レベルでの性能は同等か、若干劣る場合があります。
リチウムイオン電池との比較表:
特徴 | ナトリウムイオン電池 | リチウムイオン電池 |
---|---|---|
主な材料 | ナトリウム、鉄、マンガンなど | リチウム、コバルト、ニッケル、マンガンなど |
資源の豊富さ | 非常に豊富 | 偏在、枯渇リスクあり |
安全性 | 高い(熱暴走しにくい) | 比較的低い(過充電、過放電、高温などで発火の可能性あり) |
エネルギー密度 | 低い | 高い |
コスト | 将来的に低コスト化の可能性あり | 比較的高価(特にコバルトなどのレアメタルを使用するため) |
温度特性 | 低温に強い | 低温で性能低下 |
サイクル寿命 | 理論上は長い(現時点では製品によって異なる) | 比較的短い(製品によるが、数百回~数千回程度) |
技術的成熟度 | 開発途上 | 成熟 |
現時点では、エネルギー密度や技術的な成熟度ではリチウムイオン電池に劣るものの、安全性や資源の豊富さ、環境負荷の低さといった点で、ナトリウムイオン電池は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
エレコムがナトリウムイオン電池を選んだ理由と開発ストーリー
なぜエレコムは、まだ新しい技術であるナトリウムイオン電池をモバイルバッテリーに採用したのでしょうか。その背景には、モバイルバッテリー市場をリードする企業としての強い責任感と、未来の地球環境への深い配慮がありました。
エレコムは、2010年からモバイルバッテリーを販売し、長年にわたり国内販売台数No.1※を誇っています。しかし、その一方で、リチウムイオン電池の抱える課題も強く認識していました。リチウムやコバルトといったレアメタルの採掘現場では、児童労働や環境汚染といった問題が深刻化しています。また、リチウムイオン電池の発火事故も後を絶ちません。
こうした状況を改善するため、エレコムは、より安全で環境負荷の低いモバイルバッテリーの開発を目指しました。そして、白羽の矢が立ったのが、次世代電池として注目されるナトリウムイオン電池だったのです。
ナトリウムイオン電池は、資源が豊富なナトリウムを使用するため、サプライチェーンのリスクが低く、安定供給が可能です。また、原理的に熱暴走しにくく、リチウムイオン電池よりも安全性が高いとされています。
しかし、ナトリウムイオン電池の実用化には、技術的なハードルも少なくありませんでした。エレコムは、中国の電池メーカーと協力し、試行錯誤を重ねながら、世界初となるナトリウムイオンモバイルバッテリーの開発に成功しました。
あらゆるシーンで活躍!エレコム ナトリウムイオンモバイルバッテリーの活用術
エレコムのナトリウムイオンモバイルバッテリー「DE-C55L-9000」シリーズは、その優れた特性から、さまざまなシーンで活躍します。
- アウトドア:
- -35℃~50℃の温度範囲に対応するため、雪山登山やキャンプ、砂漠地帯での旅行など、過酷な環境下でも安心して使えます。
- 高い安全性は、万が一の事故のリスクを低減します。
- ビジネス:
- 最大45WのUSB PD対応で、ノートPCの充電も可能。出張や外出先での作業をサポートします。
- 長寿命なので、頻繁に買い替える必要がなく、コストパフォーマンスにも優れます。
- 災害対策:
- 長期保管しても劣化しにくいため、非常用持ち出し袋に入れておけば、いざという時に役立ちます。
- 発火のリスクが低いため、避難所などでも安心して使えます。
- 日常使い:
- スマートフォンやタブレットの充電はもちろん、Bluetoothイヤホンやスマートウォッチなど、さまざまなモバイルデバイスの充電に利用できます。
- 「低電流モード」を搭載しているので、Bluetoothイヤホンなど消費電力が小さい機器も安全に充電できます。
【徹底比較】エレコム vs 他社製品:モバイルバッテリー選びのポイント
特徴 | エレコム DE-C55L-9000シリーズ(ナトリウムイオン) | 一般的なモバイルバッテリー(リチウムイオン) | 大容量モバイルバッテリー(リチウムイオン) |
---|---|---|---|
電池種類 | ナトリウムイオン電池 | リチウムイオン電池 | リチウムイオン電池 |
容量 | 9000mAh | 製品による(5000mAh~20000mAh程度が一般的) | 製品による(20000mAh以上) |
出力 | 最大45W (USB PD対応) | 製品による | 製品による(高出力のものもある) |
サイズ・重量 | やや大きめ・重め(約350g) | 比較的小型・軽量 | 大きめ・重め |
安全性 | 非常に高い | 比較的高い~注意が必要 | 比較的高い~注意が必要 |
温度特性 | -35℃~50℃対応 | 低温で性能低下 | 低温で性能低下 |
サイクル寿命 | 約5000回 | 約500回~1000回程度 | 約500回~1000回程度 |
環境負荷 | 低い | 比較的高い | 比較的高い |
価格帯 | 9,980円(税込、エレコムダイレクトショップ価格) | 製品による(比較的安価なものから高価なものまで) | 比較的高価 |
充電時間 | 約2時間 | 製品による | 製品による |
選び方のポイント:
- 安全性重視:
- とにかく安全性を最優先するなら、エレコムのナトリウムイオンモバイルバッテリーがおすすめです。
- 環境配慮:
- 環境負荷の低減に関心がある方にも、ナトリウムイオン電池は魅力的な選択肢です。
- 酷暑・厳寒地での使用:
- -35℃~50℃の環境下で使用する可能性がある場合は、ナトリウムイオン電池の温度特性が強みになります。
- 長寿命・高頻度利用:
- 長期間、毎日使いたい、頻繁に充電を繰り返したい場合には、長寿命な製品がおすすめです。
- 容量・サイズ・重量:
- 持ち運びやすさを重視するなら、小型・軽量なリチウムイオン電池製品も選択肢に入ります。
- ただし、容量とサイズ・重量はトレードオフの関係にあるため、用途に合わせて適切なバランスを見つける必要があります。
まとめ:エレコム ナトリウムイオンモバイルバッテリー購入ガイド(価格・FAQ含む)
エレコムのナトリウムイオンモバイルバッテリー「DE-C55L-9000」シリーズは、安全性、環境負荷の低減、長寿命、優れた温度特性を兼ね備えた、次世代のモバイルバッテリーです。
価格:
- 9,980円(税込、エレコムダイレクトショップ価格)
- エレコムダイレクトショップでは、先行予約販売で割引キャンペーンを実施している場合があります。
購入方法:
- エレコムダイレクトショップ(オンラインストア)
- 家電量販店
- その他オンラインストア
よくある質問(FAQ):