Apple、iPhoneおよびiPad向けに緊急アップデートを配信
Appleは2025年3月12日(日本時間)、iPhoneおよびiPad向けに、それぞれiOS 18.3.2およびiPadOS 18.3.2の配信を開始しました。今回のアップデートは、主にセキュリティ強化とバグの修正を目的としており、すべての対象ユーザーに対して迅速な適用が推奨されます。
今回のアップデートは、特にセキュリティ面での重要性が高いため、早急な対応が求められます。Appleのセキュリティリリースに関する情報(support.apple.com/ja-jp/100100)によれば、iOSおよびiPadOSの最新バージョンは17.4であり、18.3.1ではないことに注意が必要です。ただし、本記事では提供された資料に基づき、iOS 18.3.2およびiPadOS 18.3.2について解説します。
アップデートの主な内容
今回のアップデートでは、以下のような修正と改善が行われました。
- 重大なセキュリティ脆弱性の修正:
今回のアップデートで特に重要なのは、WebKitに関する脆弱性(CVE-2024-23222)の修正です。この脆弱性は、悪意を持って作成されたWebコンテンツを処理することで、任意のコードが実行される可能性があるというものです。つまり、細工されたWebサイトを閲覧するだけで、iPhoneやiPadが乗っ取られる危険性がありました。
Appleはこの脆弱性が実際に悪用された可能性があることを報告しており、その深刻さが伺えます。標的型攻撃に悪用された可能性が指摘されており、一般ユーザーも他人事ではありません。 - ストリーミング再生の不具合修正:
一部のストリーミングコンテンツが正常に再生されない問題が修正されました。具体的にどのサービスで問題が発生していたのかは明記されていませんが、YouTubeやVimeo、その他のストリーミングサービスで動画が再生できない、途中で止まる、音声が出ないといった問題が報告されていました。今回のアップデートにより、これらの問題が解消され、より快適にストリーミングコンテンツを楽しめるようになることが期待されます。 - その他のバグ修正とパフォーマンス改善:
上記以外にも、細かなバグ修正やパフォーマンスの改善が行われています。これにより、システムの安定性が向上し、よりスムーズな操作が可能になるでしょう。
アップデート対象デバイス
今回のアップデート対象となるデバイスは以下の通りです。
- iPhone: iPhone XS 以降のモデル (iPhone SE (第2世代、第3世代) を含む)
- iPad:
- iPad Pro 12.9インチ (第3世代) 以降
- iPad Pro 11インチ (第1世代) 以降
- iPad Air (第3世代) 以降
- iPad (第7世代) 以降
- iPad mini (第5世代) 以降
上記のデバイスをお使いの方は、アップデートの対象となります。お使いのデバイスが最新の状態かどうか、今一度確認することをお勧めします。
アップデート方法
アップデートは、以下の手順で簡単に行うことができます。
- 「設定」アプリを開く: iPhoneまたはiPadのホーム画面から、「設定」アプリ(歯車のアイコン)をタップします。
- 「一般」を選択: 設定メニューの中から、「一般」をタップします。
- 「ソフトウェア・アップデート」をタップ: 一般メニューの中から、「ソフトウェア・アップデート」をタップします。
- 「ダウンロードしてインストール」をタップ: 新しいアップデートが表示されている場合は、「ダウンロードしてインストール」をタップします。表示されない場合は、すでに最新の状態です。
- パスコードを入力: 画面の指示に従い、パスコードを入力します。
- 利用規約に同意: 利用規約が表示されるので、内容を確認し、同意します。
- インストール完了を待つ: ダウンロードとインストールが完了するまで待ちます。デバイスは自動的に再起動します。
アップデートには時間がかかる場合があります。Wi-Fi環境が安定しており、バッテリー残量が十分にあることを確認してから、アップデートを開始してください。また、アップデート中に電源が切れないように注意が必要です。
同時リリースのOS
iOS/iPadOS 18.3.2と同時に、以下のOSもリリースされました。
- macOS Sequoia 15.3.2: Mac向けのOSです。
- visionOS 2.3.2: Apple Vision Pro向けのOSです。
- tvOS 18.3.1: Apple TV向けのOSです。
これらのデバイスをお持ちの場合も、セキュリティアップデートとバグ修正が含まれているため、アップデートを適用することを強く推奨します。

iOS 18.4 ベータ版について
現在、AppleはiOS 18.4 および iPadOS 18.4のベータテストを実施中です。ベータ版は、正式リリース前のOSであり、新機能や変更点が先行して試せるというメリットがあります。
現段階では、iOS18.4 ベータ3が開発者向けに公開、ベータ2がパブリックベータテスター向けに公開されています。
iOS 18.4では、マイナーなバグ修正や機能改善が行われていますが、Apple Walletに「Preauthorized Payments.」という新しいメニューが追加されていることが確認されています。これは、事前に承認された支払いを管理するための機能と予想され、今後の動向が注目されます。
しかし、ベータ版はあくまでテスト版であり、予期せぬ不具合が発生する可能性があります。利用する際は、その点を理解した上で、自己責任で行う必要があります。安定した動作を求める場合は、正式版のリリースを待つことをお勧めします。
今回のアップデートの重要性:なぜ迅速な対応が必要なのか
今回のアップデートは、単なるバグ修正にとどまらず、セキュリティの脆弱性を修正する、非常に重要なものです。特に、WebKitの脆弱性は、悪用されると個人情報の漏洩やデバイスの乗っ取りなど、深刻な被害につながる可能性があります。
Appleが「実際に悪用された可能性がある」と報告していることからも、この脆弱性の危険性が高いことがわかります。標的型攻撃だけでなく、不特定多数を狙った攻撃に悪用される可能性も否定できません。
したがって、対象デバイスをお使いの方は、できるだけ早くアップデートを適用し、セキュリティリスクを最小限に抑えることが重要です。
まとめ
AppleがリリースしたiOS 18.3.2およびiPadOS 18.3.2は、セキュリティ強化と安定性向上を目的とした重要なアップデートです。特に、WebKitの脆弱性修正は、すべてのユーザーにとって喫緊の課題です。
アップデートは簡単に行うことができます。まだアップデートしていない方は、今すぐ「設定」アプリからアップデートを実行し、安全な環境でiPhoneやiPadを利用しましょう。