この記事のポイント
- いつ:CXMTが2026年8月29日に公式Weiboで発表、雷軍CEO本人も確認済み(端末のローンチイベントは9月7日に中国国内で予定)
- 何が:CXMT製LPDDR6メモリをXiaomiの新型折りたたみ「Xiaomi 18 Fold」が世界初搭載
- 速度:JEDEC規格上限14,400MT/s・CXMTチップのピーク12,800Mbps・Xiaomi 18 Foldの実装10,667MT/sで、測っている対象が異なる3つの数値です
- 背景:LPDDR6は2025年7月9日にJEDECが規格「JESD209-6」を公開したばかりの最新世代。CXMTは米輸出規制の対象企業です
- 注意点:端末のフル仕様は9月7日の正式ローンチ前でティザー段階、日本での発売・価格も未発表です
CXMT公式Weiboの発表と雷軍本人の確認で「世界初」が二重に裏付けられた
CXMT(長鑫存儲科技)は2026年8月29日、公式Weibo(微博)でLPDDR6メモリの量産開始を発表し、採用第一号機としてXiaomi 18 Foldを名指ししました。この内容はNotebookcheckやGizmochinaなど複数の海外メディアが独立に報じています。
さらにXiaomi CEOの雷軍(レイ・ジュン)本人も、8月24日に発表した自社製3nm SoC(CPU等を1チップに統合した半導体)「Xring O3」がCXMT製LPDDR6を最初にサポートすると確認しました(MyMobileIndia)。チップメーカーと搭載側トップ、発信元の異なる二つの公式ソースが同じ事実を裏付けています。
LPDDR6とは何か。2025年7月の規格化から1年で迎えた最初の商用実装
LPDDR6は、スマートフォンなどモバイル機器向けの省電力DRAM(記憶データを保持するために電力を使い続ける揮発性メモリ)規格の最新世代です。標準化団体JEDECが2025年7月9日に正式な規格「JESD209-6」を公開しました(JEDEC公式リリース)。
2025年7月の規格公開から約1年で、最初の商用実装が登場しました。Tom’s Hardwareによれば、LPDDR6は前世代LPDDR5X(最大8.533Gbps/ピン)に対しピンあたり最大14.4Gbpsへ引き上げられ、24ビットチャネル構成と合わせパッケージ帯域幅は約2.25倍になるとされています。
規格上限14,400MT/s、チップピーク12,800Mbps、実装10,667MT/s。速度表記を混同しない
今回のニュースには速度に関する数字が3種類登場し、それぞれ意味が異なります。読み違えを防ぐため、表で整理します。
| 数値 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 14,400 MT/s | JEDEC規格「JESD209-6」が定める上限速度 | Tom’s Hardware |
| 12,800 Mbps | CXMT製LPDDR6チップ自体のピーク転送速度(開示スペック) | SammyFans |
| 10,667 MT/s | Xring O3との組み合わせでXiaomi 18 Foldが実際に動作する速度(24ビットインターフェース) | Notebookcheck |
MT/sとMbpsは、ピンあたりの転送速度としては同じ数値を指す別名です。3つの数値が違うのは単位のズレではなく、規格の上限・チップの開示スペック・実機動作という、測っている対象の違いによるものです。要点は、Xiaomi 18 Foldは規格上限もチップのピーク性能もまだ使い切っていない点です。
米輸出規制下のCXMTが最先端規格に世界で最初に到達した意味
CXMTは中国最大のDRAMメーカーです。2026年7月には上海STAR Marketに新規上場し、約579億元(約86億ドル)を調達しています(Yahoo Finance)。
一方で、米国は2022年10月以降、対中輸出規制の対象に指定しており、18nmハーフピッチ以下のDRAM製造装置・技術の輸出にはライセンスが必須です。米国防総省からも「Chinese Military Company」に指定され、NDAA 2023(米国の国防権限法)Section 5949により米政府調達から排除されます(Bloomberg)。
単なる新製品の部品情報にとどまらず注目されるのは、輸出規制下の企業が最先端規格で「世界初」に到達した点です。TechTimesによれば、CXMTはAI向け高帯域メモリ「HBM3E」もAlibaba傘下のT-HeadやCambricon(寒武紀)で評価中とみられ、規制下でも技術力を伸ばす実例です。
メモリ採用は確定、端末そのものは9月7日ローンチ前のティザー段階
メモリ採用自体は二重の公式ソースで確定済みですが、Xiaomi 18 Fold本体はまだティザー段階です。Android Authorityによれば、公式レンダー画像の初公開は9月2日、中国国内でのローンチイベントは9月7日に予定されています。
そのレンダーで、Xiaomi 18 Foldは「mid-fold」と呼ばれる新フォームファクターの採用が分かりました。Gizmochinaによれば、本を開くbook型とコンパクトに畳むflip型の中間の設計とされています。詳細スペックは9月7日を待つ必要があります。
なおAIWeeklyの報道では、同じCXMT製LPDDR6とXring O3系SoCの組み合わせを「Xiaomi Pad 9 Pro Max」も採用するとみられており、こちらも報道段階の情報です。
次に動くのは9月7日の中国ローンチ、日本での発売は未発表のまま
Xiaomi 18 Foldは中国国内向けの発表で、日本での発売・日本語対応・価格は未発表です。
XiaomiグループではREDMI Note 17 Pro Max 5GとREDMI 17が日本発売済みで、価格・特典も公開済みです。続くかどうかは現時点では判断できません。
9月7日の中国ローンチでは、端末のフル仕様と、Xring O3・LPDDR6の実装構成が明らかになる見込みです。日本で買えるかどうかがまだ分からない現時点では、この2点が、中国製の先端メモリが実機でどこまで使われるのかを日本から測る手がかりになります。
まとめ
Xiaomi 18 FoldがCXMT製LPDDR6を世界初搭載するという事実は、CXMT公式Weiboと雷軍CEO本人という二重の公式ソースで裏付けられた確定事項です。ただし速度は3段階あり、JEDEC規格上限14,400 MT/s、CXMTチップのピーク12,800Mbps、Xiaomi 18 Foldでの実装10,667 MT/sは区別して理解する必要があります。
背景には、2025年7月に規格化されたばかりのLPDDR6を、米輸出規制下にある中国メーカーCXMTが約1年で商用実装まで到達させたという半導体業界の文脈があります。一方で端末そのものの仕様・デザイン・日本発売の有無は9月7日の正式ローンチを待つ必要があり、現時点では未確定・未発表として扱うべきです。
編集後記
CXMT公式Weiboと雷軍CEO本人がそれぞれ別に裏付けたのは、私には珍しい念の入れようだと映りました。10,667MT/sという実装値は、規格上限14,400MT/sにもチップのピーク12,800Mbpsにも届いていません。初物としてはまだ伸びしろを残した形で、次の世代でどこまで上がるのか、そちらのほうが気になってしまいました。
— CODE. 編集部
- Source:Notebookcheck
- Source:Gizmochina(1)
- Source:Gizmochina(2)
- Source:MyMobileIndia
- Source:JEDEC
- Source:Tom’s Hardware
- Source:Bloomberg
- Source:Android Authority
- Source:SammyFans
- Source:Yahoo Finance
- Source:TechTimes
- Source:AIWeekly
Photo: Vishnu Mohanan on Unsplash

