この記事のポイント
- いつ:メドレーが10月15日9時ごろに公表。10月11日に外部専門機関から情報提供があり、14日深夜(15日0時)にサービスを一時停止した
- 何が:産婦人科向けシステム「アットリンク」に第三者の不正アクセスがあったことを確認。患者の個人情報が漏えいした可能性があるが、漏えいの有無と範囲は外部専門機関と調査中
- 誰に:アットリンクを使う産婦人科の患者。対象は最大787の医療機関(影響が想定される上限)で、漏えいが確定した施設数でも患者の人数でもない
- なぜ重要:妊娠・出産に関わる情報を扱うサービスだが、漏えいした可能性のある項目、影響人数、原因、再開時期は未公表。患者向けの対象医療機関一覧と、自分の通院先が対象かを確かめる公式窓口も見つからない
- 読者は何を:通院先の院内告知や公式サイトを確認し、予約は各院の案内に従う。メドレーやアットリンクを名乗る不審なメール・SMS・電話に注意する(メドレーがパスワードやカード情報を尋ねることはない)
10月11日の情報提供から、15日朝の公表までの4日間
メドレー(東証プライム 4480)が10月15日9時ごろ、産婦人科向けサービス「アットリンク」への不正アクセスと、サービスの一時停止を公表しました。
公表は適時開示の形でした。適時開示とは、上場企業が投資判断に影響しうる情報を取引所のルールに沿って公に知らせる仕組みです。
ここで押さえたいのは、確認済みなのが「第三者による不正アクセス」までだという点です。患者の個人情報が漏えいした可能性はありますが、漏えいの有無と範囲は外部専門機関と調査中とされています。公式のお知らせでは、10月15日16時時点でもこの状態です。
| 日時 | 出来事 |
|---|---|
| 10月11日 | 外部専門機関から、不正アクセスの可能性について情報提供を受ける |
| 調査の過程 | 第三者による不正アクセスを確認 |
| 10月14日深夜(15日0時) | サービスを一時停止 |
| 10月15日 9時ごろ | 適時開示で公表 |
| 10月15日 16時時点 | 公式の最新情報でも、漏えいの有無と範囲は調査中 |
同じ流れはITmedia、ASCII、Impressも一致して報じています。
メドレーは個人情報保護委員会(個人情報保護法を所管する国の機関)へ報告し、警察にも相談したとASCIIは伝えています。
止まったのはWEB予約・デジタル診察券など——対応は医療機関ごとに異なる
アプリ、WEB予約サイト、周辺サービスが止まっていると報じられています。患者が影響を受けやすい場面は次のとおりです。
止まっている機能の例(報道・医療機関の告知ベース)
- WEB予約
- 最終月経日の登録・変更
- デジタル診察券の表示
- オンライン決済(クレジットカード払い)
- アプリへの通知、問診、アプリ内メッセージ
- 妊娠中の記録の閲覧
これらはYahoo!ニュースに掲載された報道などによるもので、機能の一覧は公式が示したものではありません。各院は電話予約などへ切り替えているとされますが、対応は医療機関ごとに異なります。予約や支払いの方法は、通院先の案内で確かめるのが確実です。
787という数字が示すのは影響の上限で、自分の通院先が対象かどうかは分からない
報道に出てくる「最大787」は、医療機関(施設)の数です。アットリンクを利用する全医療機関の数で、影響が想定される上限にあたります。漏えいが確定した施設の数ではなく、患者の人数でもありません。日経が伝えています。
単位の書き方は媒体で少し違い、日経は「最大787機関」、時事は「最大787施設」としています。数字はいずれも787で、指しているのは施設の上限数です。
漏えいの有無も影響人数も、10月15日16時時点で公表されていない
公式発表と報道を合わせると、10月15日16時時点の状況は次のとおりです。
| 論点 | 公表された内容 | 未公表の部分 |
|---|---|---|
| 不正アクセス | 第三者による不正アクセスを確認 | 原因・侵入経路(身代金を要求する型のウイルスか、システムの欠陥を突かれたのか、も不明) |
| 漏えい | 有無と範囲は外部専門機関と調査中 | 漏えいの有無そのもの、影響人数・被害規模 |
| 対応 | 個人情報保護委員会へ報告、警察へ相談(報道) | サービスの再開時期(調査結果を踏まえ別途案内) |
| 対象施設 | 最大787の医療機関(報道) | 患者向けの対象医療機関一覧、自分の通院先が対象かを確かめる公式窓口 |
漏えいの可能性がある項目は、公式からまだ示されていない
公式が漏えいの可能性を示した情報項目のリストは、未公表です。妊娠・出産に関する情報を含め、「漏れた」とも「漏れていない」とも言えない段階にあります。
自分の通院先が対象かを確かめる公式の経路も、見つかっていません。実際上の確認手段は、通院先の院内告知や公式サイトになります。
通院先の案内を確かめ、不審な連絡には入力も返信もしない
今日できることは3つです。
- 通院先の院内告知・公式サイトを見る。予約が取れているか分からない場合は、通院先に電話で確認します。各院は電話予約などへ切り替えているとされ、対応は医療機関ごとに異なるためです。
- メドレーやアットリンクを名乗るメール・SMS・電話には、返信せず、入力もしない。確認が必要なときは、通院先か、次の問い合わせ窓口を使います。メドレーがパスワードやクレジットカード情報を尋ねることはない、と公式は明記しています。
- 問い合わせ窓口は、フォームとメール(at-link@medley.jp)。ただしこれは一般の問い合わせ窓口で、対象医療機関を照会する窓口として案内されたものではありません。この窓口で対象かどうかを確認できるかは公表されていません。回答は医療機関と患者への対応を優先するため、時間がかかる可能性があるとされています。
詳細はアットリンク公式サイトのお知らせにもあります。
まとめ
10月15日16時時点で確認済みなのは、第三者による不正アクセスです。漏えいの有無と範囲は、まだ確定していません。
次に動きがあるとすれば、調査結果と再開時期の案内です。再開時期は、調査結果を踏まえて別途案内するとされています。それまでは、まず通院先の案内を確かめてください。
編集後記
787という数字を見ても、上限と確定は別のものとして受け止めたい、というのが読み終えた私の率直な印象です。調査の結果が出るまでは、予約や診察券まわりで不便が続く方もいるかもしれません。その間は、通院先の案内がいちばん頼りになりそうです。
— CODE. 編集部

