この記事のポイント
- いつ:2026年9月8日発表、2026年11月中旬発売予定
- 何が:エレコムが「HDMI 2.2」対応・国内初認証(自社調べ)の「Ultra96 HDMIケーブル」を発表。最大96Gbps、16K/60Hz・8K/240Hz・4K/480Hzに対応
- 誰に:HDMI 2.2を見据えて先行投資したい層、高解像度・高フレームレート出力を検討しているPC・ゲーム機・AV機器ユーザー
- なぜ重要:96Gbpsをフルに使うHDMI 2.2対応機器の本格登場は2027〜2028年見込みで、現時点ではケーブルが機器に先行している。「国内初認証」は自社調べの限定条件つきで、価格・型番も未発表
- 読者は何をすべきか:型番・価格の正式発表を待ちつつ手持ち機器の世代を確認する。現行Ultra High Speed(2.1・48Gbps)で足りているなら急いで買い替える必要はない
伝送帯域は現行の2倍、96Gbpsで16K/60Hzに対応
エレコムは2026年9月8日、新規格「HDMI 2.2」に対応した「Ultra96 HDMIケーブル」を発表した。発売は2026年11月中旬予定で、価格・型番は後日発表としている。
最大の特徴は伝送帯域が96Gbpsに達すること。16K(15,360×8,640)/60Hz・8K(7,680×4,320)/240Hz・4K(3,840×2,160)/480Hzの映像伝送に対応し、100Mbpsイーサネット通信も扱える。コネクタはHDMI Type A(19ピン)、種別はスタンダードケーブル、カラーはブラック。
PR TIMES配信のプレスリリースは「国内初認証(※1)!最新規格「HDMI(R)2.2」対応で高精細な映像世界へ導くUltra96 HDMIケーブルを新発売」と題し、AV Watch・PHILE WEBなど国内メディアも同じ数値で報じている。
帯域倍増の正体は2025年1月発表の新規格「HDMI 2.2」とFRL・LIPという新技術にある
96Gbpsという数字が出てきた背景には、規格そのものの更新がある。HDMI規格を管理するHDMI Forum・HDMI Licensing Administratorは2025年1月6日(米国太平洋時間)、CES 2025で新規格「HDMI 2.2」を発表した。2017年のHDMI 2.1以来となる大型更新で、最大帯域は48Gbpsから96Gbpsへ倍増している。
この帯域を実際に使い切るには、新規格に対応した「Ultra96認証」ケーブルが必須になる。エレコムの新製品はこの認証を取得したものだ。
HDMI 2.2では伝送方式も更新され、「FRL(Fixed Rate Link)」と、映像・音声の同期を改善する「LIP(Latency Indication Protocol)」が新たに搭載された。LIPはサウンドバーやAVアンプを経由する多段接続で、音ズレを抑える効果が見込まれる。
主なスペックを現行規格と並べると次のようになる。
| 項目 | HDMI 2.1b(Ultra High Speed) | HDMI 2.2(Ultra96) |
|---|---|---|
| 最大伝送帯域 | 48Gbps | 96Gbps |
| 目安となる映像出力 | 4K/120Hz、8K/60Hz程度 | 16K/60Hz、8K/240Hz、4K/480Hz |
| 対応ケーブル認証名 | Ultra High Speed | Ultra96 |
| 規格発表 | 2017年 | 2025年1月(CES 2025) |
「国内初認証」の中身 — 家電量販店向けメーカー限定の自社調べ
プレスリリースの見出しにある「国内初認証」は、注釈(※1)を読むと条件付きの主張だとわかる。根拠は2026年9月8日時点のエレコム自社によるWeb調査だ。HDMI協会に「HDMI2.2 Adopter」として登録された国内メーカーは147社あり、このうち家電量販店向けにコンシューマー製品を販売するメーカーでHDMI2.2認証を発表したのはエレコムが初、というものだ。147社の中での最速登録を意味するわけではない。
つまり「国内初」は第三者機関の検証ではなく、対象を家電量販店向けメーカーに絞った自社調べだ。エレコムは2020年10月にも、HDMI 2.1対応の8Kケーブルで同じ「国内初認証(※1)」の表記を使っている。
ケーブルが機器に先行し、96Gbpsを使い切る製品は2027〜2028年見込み
もう一つ確認しておくべきは、96Gbpsを受け止める側の機器の状況だ。HDMI Licensing AdministratorのRob Tobias CEOの発言として、業界全体の見通しでは、Ultra96ケーブル自体の市場投入は2026年第1四半期と見込まれる一方、96Gbpsをフルに活かすHDMI 2.2対応機器(テレビやプロジェクターなど)の本格登場は2027〜2028年頃になる見込みだと報じられている。エレコムの国内発売(2026年11月中旬)は、この業界見通しの2026年第1四半期より後にあたる。2026年9月時点で、HDMI 2.2に正式対応した市販のテレビ・GPU・AVアンプはほぼ存在しない。
ここで注意が必要なのは表記の読み方だ。製品の接続対象としてはPC・ゲーム機・テレビ・ディスプレイ・プロジェクターが挙げられているが、これは一般的な接続用途の列挙にすぎない。「HDMI 2.2対応の現行機器が存在する」ことを意味するわけではない。手持ちの機器に挿せることと、96Gbpsの恩恵を受けられることは別の話だ。
規格が先に進み、それを体感できる機器が後から追いつく構図は他分野にもある。無線LANでも、Wi-Fi 8対応をうたうルーターで最大速度がWi-Fi 7から変わらない例がある。新規格の数字を見るときは、使い切れる環境が揃っているかどうかも確認する必要がある。
型番・価格は後日発表 — 今の手持ち機器との付き合い方
型番・価格・ケーブル長のラインナップは、いずれも後日発表とされている。現時点で未発表の項目を整理すると次の通りだ。
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 型番(品番) | 未発表 |
| 価格 | 未発表 |
| ケーブル長のラインナップ | 未発表 |
買い替えの際は後方互換性が前提になる。Ultra96ケーブルを旧世代の機器に挿しても動作はするが、性能は接続先の低いほうの規格に制限される。接続先がHDMI 2.1機器のままなら、Ultra96ケーブルを使っても48Gbps相当の性能しか出ない。
現行のUltra High Speed(HDMI 2.1、48Gbps)は4K/120Hzや8K/60Hz程度が目安とされる。この範囲で満足しているなら急いで買い替える必要はない。将来HDMI 2.2対応機器の導入を予定しており、ケーブル更新の手間を省きたい場合は、型番・価格の正式発表を待って先行投資する選択肢になる。
まとめ
エレコムの「Ultra96 HDMIケーブル」は2026年11月中旬発売予定で、96Gbpsの伝送帯域により16K/60Hzなど現行を大きく上回る映像出力に対応する。ただし「国内初認証」は自社調べの限定条件付きであり、96Gbpsを使い切るHDMI 2.2対応機器の本格登場も2027〜2028年見込みとまだ先だ。型番・価格・ケーブル長も未発表のため、正式発表を待ちつつ、手持ち機器の世代を確認したうえで買い替えを検討するのが現実的だろう。
編集後記
私はまず、96Gbpsという伝送帯域の大きさに目を引かれました。ただエレコムのUltra96 HDMIケーブルが11月中旬に発売されても、16K/60Hzを使いこなせる機器はまだ限られているようで、少し気が早い印象も残ります。
— CODE. 編集部
- Source:エレコム(1)
- Source:PR TIMES
- Source:ASCII.jp
- Source:AV Watch(1)
- Source:AV Watch(2)
- Source:PHILE WEB
- Source:ITmedia PC USER
- Source:エレコム(2)
- Source:coresignal
Photo: Andrey Matveev on Unsplash

