MSI「RTX 5060 8G VENTUS 2X OC V1」は88,800円。寸法が同じ既存モデルは6万円台、全長197mmも自社ラインで最小ではない

PCケース内部に搭載されたグラフィックスカードのイメージ
目次

この記事のポイント

  • いつ:2026年9月11日(金)0時発売
  • 何が:MSI「GeForce RTX 5060 8G VENTUS 2X OC V1」(型番G5060-8V2CV1)、市場想定売価は税込88,800円
  • 誰に:小型PCケースへRTX 5060を組みたい人、既存VENTUS 2X OCとの違いが気になる人
  • なぜ重要:全長・基本仕様が同一とみられる既存モデル(VENTUS 2X OC WHITE)は約64,790円で流通しており、V1は約2.4万円高い
  • 読者は何をすべきか:自分のケースの許容寸法(197×120×41mm)と電源要件(推奨550W・補助電源8ピン×1)を確認したうえで選ぶ

MSIは2026年9月11日(金)0時、GeForce RTX 5060搭載カードの新モデル「GeForce RTX 5060 8G VENTUS 2X OC V1」(型番G5060-8V2CV1)を発売しました(出典:MSI公式リリース(PR TIMES))。市場想定売価(店頭価格)は税込88,800円、国内代理店はアスクとされています(出典:AKIBA PC Hotline!)。

197×120×41mm・電源550W——この3つの数字で「自分のケースに入るか」を判定する

小型ケースへの搭載可否を判断する材料は、寸法と電源要件です。本体サイズは197×120×41mm、重量は参考値548g(Guru3Dの1件のみで国内媒体での一致は未確認)。映像出力はDisplayPort 2.1b×3・HDMI 2.1b×1、補助電源(マザーボード側だけでは足りない電力をGPUへ追加供給するコネクタ)は8ピン×1、推奨電源容量は550Wです(出典:AKIBA PC Hotline!)。

手持ちのケースの対応全長欄と電源ユニットの出力を、この3つの数字と照らし合わせれば搭載可否が判定できます。

搭載スペックはBlackwellアーキテクチャをベースに、CUDAコア(並列演算ユニット)3,840基とGDDR7メモリ(高速メモリ規格)を備えます。さらに第5世代Tensorコア(AI処理ユニット)と第4世代RTコア(レイトレーシング専用ユニット)を搭載しています(出典:エルミタージュ秋葉原)。

「小型GPU」の実態はMSI社内比較で変わる——INSPIRE ITX OCの145mm、CYCLONE OCの161mmに対しV1は197mm

197mmという数字だけを見ると「小型」の印象を持ちがちですが、MSIのRTX 5060ラインナップの中で比べると、V1はむしろ大きい側に位置します。

モデル全長
INSPIRE ITX OC145mm
CYCLONE OC161mm
VENTUS 2X OC系(V1含む)197mm

(出典:NichePCGamer

Mini-ITXケースなどさらに厳しい制約がある場合、選択の余地が広がるのは同じMSI製でもINSPIRE ITX OCやCYCLONE OCです。V1の「コンパクト設計」はフルサイズのRTX 5060カードとの比較だと捉えておくのが実態に近いでしょう。

寸法が同じ「無印」VENTUS 2X OC WHITEは6万円台——約2.4万円の差に説明は示されていない

MSIはすでに、寸法・基本スペックが同一とみられる「GeForce RTX 5060 8G VENTUS 2X OC」(型番G5060-8V2C、WHITE版はG5060-8V2CW)を発売済みです(出典:MSI公式サイト)。価格.comの集計(検索時点のスナップショットで日々変動)では、WHITE版の最安値は約64,790円、RTX 5060搭載カード全体は69,800円前後が相場です(出典:価格.com)。単純比較でV1はこれより約2.4万円高い計算になります。

GDDR7需給というもう一つの変数——2025年発売時5万5,800円からの値上がり圧力

RTX 5060は2025年5月20日の発売時点、搭載カードは5万5,800円からでした(出典:4Gamer)。2026年夏以降はAI需要によるGDDR7メモリの逼迫を主因に、グラフィックボード全般が2〜3割値上がりしているとの報告もあります(出典:GAMING-ST)。V1の価格がこの値上がり圧力にどこまで起因するかの一次的な裏付けはなく、時期的に符合する程度にとどめておく必要があります。

ブーストクロック2,527MHzはリファレンス比+30MHz(約1.2%)——「OC」の中身を数値で確認する

「OC」(factory OC=出荷時点でリファレンスより高く設定されたクロック)から連想する性能差と、実際の数値には差があります。

項目リファレンス(無印)V1
ブーストクロック2,497MHz2,527MHz
CUDAコア数3,840基3,840基
メモリGDDR7 8GB(128bit)・28GbpsGDDR7 8GB(128bit)・28Gbps
TGP(最大消費電力の目安)145W145W(参考値)

(出典:ASCII.jpAKIBA PC Hotline!

V1のブーストクロックはリファレンスの2,497MHzに対し2,527MHzで、差は+30MHz・約1.2%にとどまります。CUDAコア数3,840基は同一で、TGP(Total Graphics Power)も145Wで一致するとされています(Guru3D、参考値)。「OC」表記そのものは誤りではありませんが、体感できるほどの性能差を約束するものではない点は押さえておきたいところです。

TORX FAN 5.0のLEDレス構成——既存「VENTUS 2X OC」との違いは型番末尾の「V1」だけとみられる

冷却機構はTORX FAN 5.0搭載のデュアルファン構成です。RGB LEDは非搭載(LEDレス)で、ファンブレードを外周でつなぐ設計により安定したエアフローを狙うとされています(出典:headtopics.com)。

型番を追うと、V1は既存モデル「GeForce RTX 5060 8G VENTUS 2X OC」(G5060-8V2C)のリビジョンとみられ、寸法・基本スペックは同一で型番末尾に「V1」が付く形です(出典:MSI公式サイト)。同日発表の姉妹モデルの有無は公表資料では確認できておらず、「存在しない」と断定はできません。

まとめ

V1は9月11日発売、市場想定売価は税込88,800円。判定材料は本体サイズ197×120×41mm・推奨電源550W・補助電源8ピン×1の3点で、まずは自分のケースと電源ユニットに照らして確認してください。寸法・基本スペックがほぼ同一の既存モデルは6万円台で流通し、ブーストクロックの差はリファレンス比+30MHz(約1.2%)にとどまります。「性能が大きく上がった新モデル」としてではなく、型番リビジョンとしての価格差・入手性の違いを踏まえて選ぶのが実態に即しているといえそうです。

編集後記

寸法がほぼ同じ「無印」VENTUS 2X OCの価格が6万円台という記事中の情報を見て、私は約2.4万円という差額につい目が留まりました。+30MHzというブースト差を見ると、V1の88,800円はその型番が語るほど大きな進化を意味しないのかもしれないと思います。

— CODE. 編集部

Photo: Anthony Roberts on Unsplash

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