タイヤを直接回して走る — ASUS「Oxiis E250G1」は3.7kgで自転車を電動アシスト化する

自転車のシートポストと後輪まわりのクローズアップ(ASUS Oxiis E250G1 は後輪タイヤにローラーを押し当てて駆動する後付け電動アシストキット)
目次

この記事のポイント

  • いつ:2026年8月17日(現地時間)発表。2026年内に一般向け発売予定
  • 何が:ASUSの後付け電動アシストキット「Oxiis E250G1」。シートポストのローラーで後輪タイヤを直接回す摩擦駆動方式で、変速機・ブレーキ・チェーンは無改造のまま使える
  • 主な仕様:定格250W/ピーク500W、36V・158.4Wh(取り外し可能)、100W USB-C PDで約2時間充電、本体重量3.7kg。航続はEcoで最大約50km、Sportは約10km
  • なぜ重要:アシスト上限32km/hは地域により25km/hに制限される仕様で、日本の基準(時速24km以上で補助力ゼロ)とは異なる。日本仕様・価格・発売日はいずれも未発表
  • 読者は何をすべきか:対応ホイール径16インチ〜700C・フルサスとカーボン製シートポストは非対応という条件に、自分の自転車が収まるかをまず確認しておく

後輪タイヤをローラーで押して走る — 変速機もブレーキも無改造のまま

ASUS が発表した「Oxiis E250G1」は、いま乗っている自転車をそのまま電動アシスト化する後付けキットです。シートポストにクランプで固定し、モーターで回るローラーを後輪のタイヤに押し当てて駆動する仕組みで、BikeRadarASUS の公式製品ページなどで伝えられています。

この方式は摩擦駆動(friction drive)と呼ばれます。タイヤの表面を直接回すため、チェーンやスプロケット、ホイールそのものに手を入れる必要がありません。既存の変速機・ブレーキ・ドライブトレインは無改造のまま残ります(BikeRadar)。

ホイールごと交換するハブモーター式や、ボトムブラケットを分解するミッドドライブ式と比べ、Oxiis E250G1 はシートポストへのクランプ固定だけで済みます。

定格250W/ピーク500W、勾配と向かい風を検知する「Adaptive Boost Technology」

出力は定格250W、ピーク時500W です。ASUS は「Adaptive Boost Technology」と呼ぶ制御を搭載し、勾配や向かい風を検知して出力を自動調整すると説明しています。

乗り手がその都度モードを操作しなくても、上り坂や強い向かい風の場面で必要な分だけアシストを足す設計です。

踏力ではなく回転を見る — ペダル側はワイヤレスのケイデンスセンサー

ペダル側にはワイヤレスのケイデンスセンサーを取り付けます。ASUS JAPAN の公式 X アカウントによれば、追加の配線は不要です。

ケイデンスセンサーはクランクの回転を検知する部品で、踏む力の強さを測るトルクセンサーとは仕組みが異なります。トルクセンサー式が「強く踏むほど強く押す」のに対し、ケイデンス式は「ペダルが回っていればアシストが入る」挙動になります。

工具なしで外してバックパックに収まる3.7kg、充電はUSB-C PDで約2時間

本体重量は3.7kg です(媒体によっては3.8kgと表記されています)。工具なしで着脱でき、取り外せばバックパックに収まるサイズだとDigital Trendsは伝えています。

バッテリーは36V・158.4Wh で、本体から取り外せます。100W の USB-C PD 充電器で約2時間でフル充電できるとされています。専用アダプターを持ち歩かずに済む点は日常の運用で効いてきます。

航続距離は Eco モードで最大約50km。Sport モードでは約10km 程度とみられ、モード間の差はかなり大きく開きます。

Eco/Normal/Sportの3モードと、走行時間・バッテリー残量・現在速度を出すアプリ

モードは Eco/Normal/Sport の3段階です。切り替えは本体の操作か、iOS/Android 向けの専用アプリから行います。アプリ側では走行時間・バッテリー残量・現在速度を確認できます。減速を検知して自動点灯するスマートテールライトも内蔵しているとみられます。

フルサスとカーボンシートポストは非対応、対応ホイール径は16インチ〜700C

対応ホイール径は16インチ〜700C(700C はロードバイクなどで使われる大径ホイールの規格)で、都市型・ロード・グラベル・折りたたみ・ハードテイルMTB(後輪側にサスペンションを持たない車体)に対応します。主要スペックと合わせて整理すると次のとおりです(GIGAZINEほか各社報道)。

項目 内容
対応ホイール径 16インチ〜700C
対応車種 都市型/ロード/グラベル/折りたたみ/ハードテイルMTB
非対応 フルサスペンション車、カーボン製シートポスト
本体重量 3.7kg(3.8kgと表記する媒体もある)
モーター 定格250W/ピーク500W
バッテリー 36V・158.4Wh(取り外し可能)
充電 100W USB-C PD で約2時間
航続 Eco 最大約50km/Sport 約10km

非対応となる理由は公表されていません。推測にはなりますが、カーボン製シートポストは締め付け荷重に弱いこと、フルサスペンション車は走行中に後輪が上下してローラーの押し当てが安定しないことが、それぞれ制約になっていると考えられます。購入検討時は、まず自分の1台がこの表の対応範囲に入るかを確認するのが先になります。

32km/hはどこでも出せるわけではない — 日本の基準は「24km/hで補助ゼロ」

アシストの上限速度は32km/h とされています。ただしこれは全世界共通の数値ではなく、規制のある地域(EU・英国・台湾など)ではソフトウェア側で25km/h に制限される、地域別の仕様が採られるとみられます。

一方、日本では道路交通法施行規則が駆動補助機付自転車の基準を定めており、日本交通管理技術協会の解説によれば、時速24km 以上で補助力が0になることが求められます。焦点は、この国内基準に合わせた日本向け仕様が用意されるかどうかです。

本製品の日本向け仕様は未発表です。本記事は、Oxiis E250G1 が日本の基準に適合する/しないを述べるものではありません。

基準を外れると原付扱いになる — 消費者庁の注意喚起

消費者庁と国民生活センターは、基準に適合しない電動アシスト自転車について、公道での通行をやめるよう注意喚起を行った実例があります(国民生活センターは2023年10月25日付でも同種の発表を行っています)。これは本製品を対象にしたものではなく、基準を満たさない電動アシスト自転車が法令上「原動機付自転車」等の扱いとなり得る、という一般的な制度上の前提です。

海外発の後付けキットを検討する読者にとって、現時点で確実な備えは、上限速度の設定が国内基準に沿った仕様として提供されるかどうかを、購入前に販売元へ確認することです。

価格も日本での発売時期も、まだ発表されていない

Oxiis E250G1 は2026年内に一般向け発売予定とされていますが、価格も正式な発売日も現時点で未発表です。日本での発売についても、ASUS JAPAN の公式 X アカウントは未定としています。

製品自体は2026年3月の台北サイクルショーで初公開され、6月にはフランクフルトの Eurobike で再展示された、と報じられています。

なお、価格に関する報道は媒体間で数字が数倍の開きをもって食い違っており、確定情報は出ていません。

まとめ

Oxiis E250G1 は、自転車を分解せずに電動アシストを足せる摩擦駆動キットです。アシスト上限32km/h は地域によって25km/h に制限される仕様とみられ、日本の基準は「時速24km 以上で補助力0」です。日本仕様の有無、価格、発売日はいずれも未発表のため、続報を待つ段階にあります。

対応ホイール径16インチ〜700C、フルサスとカーボンシートポストは非対応という線引きは今の時点で公表済みです。気になる読者は、まず自分の自転車がこの条件に収まるかを確かめておくと、続報が出たときに判断が早くなります。

編集後記

本体3.7kgで工具もいらず、後輪のタイヤをローラーで直接回してしまう割り切りが、Oxiis E250G1のいちばん面白いところだと私は思いました。ただ航続がEcoで最大約50km、Sportでは約10kmと大きく開くので、走り出す前にモードで悩んでしまいそうだと、早くも心配している自分がいます。

— CODE. 編集部

Photo: Alejandro Lopez on Unsplash

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