Gemini Sparkが日本のGoogle AI Proへ順次拡大。月2,900円で任せられる仕事と、同時15個までの上限

スマートフォンとノートパソコンが置かれたデスク(バックグラウンドでタスクを処理するAIエージェントのイメージ)
目次

この記事のポイント

  • いつ:2026年7月29日、Google Japan が公式ブログで告知。提供時期は「今後数週間以内」
  • 何が:Gemini の自律実行機能「Spark」が、月額14,500円〜の Google AI Ultra 限定から、月額2,900円の Google AI Pro へ拡大
  • 誰に:日本で Google AI Pro を使っている人、これから契約を検討している人
  • なぜ重要:パソコンを閉じている間も Gmail やカレンダーの作業を代行させられる枠が、約5分の1の月額で開きます
  • 読者は何をすべきか:Gemini アプリで Spark の案内が表示されているか確認する(未表示なら展開中)。Chrome を自動操作する機能は米国限定で日本は対象外

Google の生成AI「Gemini」には、指示を預けると裏で作業を進めてくれる Spark という機能があります。日本ではこれまで最上位プランの Google AI Ultra だけの機能でしたが、2026年7月29日、Google Japan がより安価な Google AI Pro への拡大を告知しました。この記事では、いつ・誰が使えるようになるのか、何を任せられて、何がまだ日本に来ていないのかを公式情報から整理します。

7月29日、Google Japanが「今後数週間以内」と告知 — 月14,500円のUltra限定だった枠がProへ広がる

今回動いたのは提供対象であり、機能そのものの新登場ではありません。Google Japan は公式ブログで、Ultra 限定だった Spark を「今後数週間以内」に Google AI Pro でも使えるようにすると告知しました。

料金差は小さくありません。Impress Watch によれば日本の Google AI Pro は月額2,900円、Google AI Ultra は月額14,500円〜で、これまで Spark を試すには後者が必要でした。日本での Spark 提供開始そのものは7月16日、Ultra 向けです。

注意したいのは、これが「使えるようになった」という完了の知らせではないことです。公式の表現は「今後数週間以内」であり、全ユーザーへの展開完了は告知されていません。手元で使えるかどうかは、Gemini アプリ上の表示で確認するのが確実です。

米国は7月23日ごろ先行、7月30日に米国外160以上の国・地域へ — 日本が後発になった時系列

順序を追うと、Pro への開放は米国から始まっています。9to5Google は7月23日ごろに米国の Google AI Pro へ提供されたと伝えています。

その一週間後、Google はグローバルブログで、7月30日に米国外の160以上の国・地域へ Pro 向け提供を広げると発表しました。日本向けの7月29日の告知は、この世界展開の直前に置かれた案内とみられます。

パソコンを閉じてもスマートフォンがロックされていても進む — Sparkは「タスク・スケジュール・スキル」の3点で組み立てる

Spark の特徴は、処理がクラウド側で走ることにあります。公式ブログは、パソコンを閉じていてもスマートフォンがロックされていても作業が進み、常時接続のための初期セットアップも不要だとしています。基盤モデルは Gemini 3.5 と案内されています。Gemini のモデル系列そのものの更新はGemini 3.6 Flash の登場でも扱っています。

指示は3つの部品で組み立てます。Google 公式ヘルプによれば、何をしてほしいかを書く「タスク」、いつ動かすかを決める「スケジュール」、繰り返し使う手順を保存しておく「スキル」の3点です。日常業務に落とすなら、まず1つのタスクを手動で試し、うまくいった手順をスキルとして残し、最後にスケジュールへ載せる順が扱いやすくなります。

同時実行は最大15個、有効なスケジュールは最大50件

上限は先に知っておいたほうがよいでしょう。公式ヘルプは同時に実行できるタスクを最大15個とし、別のヘルプページでは有効なスケジュールを最大50件としています。

ただし、上限を超えた場合の具体的な挙動(スキップされるのか、待機して順に実行されるのかなど)は、公式情報で明示されていません。

触れる先はGoogle Workspaceの8サービスと検索、その外はMCPサーバー経由 — 公式が挙げる3つの使い道

任せられる範囲は明示されています。公式ヘルプが挙げるのは、Google カレンダー、ドキュメント、ドライブ、Gmail、Keep、スプレッドシート、スライド、ToDo リストの8サービスと、Google 検索です。ウェブの閲覧範囲は限定されるとされ、ブラウザを自由に歩き回る機能ではありません。

その外側へは MCP サーバー経由で接続します。MCP(Model Context Protocol)は、AI と外部のツールやデータをつなぐための共通の接続規格で、対応サーバーを登録すれば Workspace 以外のサービスも操作対象にできます。

具体例として公式が挙げるのは3つです。受信トレイの整理、クレジットカードの明細から契約中のサブスクリプションを洗い出す作業、そして予約確認メールから旅程表へ予定を自動で追加する作業です。いずれも「読んで、判断して、別の場所へ書く」という定型作業で、Spark の得意分野がここにあることがわかります。自律実行エージェントという方向自体は各社が並行して進めており、Microsoft 365 Copilot の Cowork と Scout も同じ発想の製品にあたります。

日本に来るのはGeminiアプリ上のSparkだけ — Chrome統合は米国のPro/Ultra限定

同じ7月末には、もう1つの発表がありました。Google はグローバルブログで、7月30日に Chrome との統合を明らかにしています。Chrome との統合により、ウェブサイト上の操作まで Spark が担うというものです。

ただしこれは米国の Google AI Pro/Ultra 向けであり、今回日本へ広がるものには含まれません。日本で使えるようになるのは、あくまで Gemini アプリ上の Spark です。海外の紹介記事で「Spark がウェブを勝手に操作してくれる」と読んだ場合、それは日本の対象範囲外の話だと切り分けておきたいところです。

無料プランとGoogle AI Plusは対象外、EEA・英国・スイス・ナイジェリアは有料でも使えない

条件は2軸で見るとわかりやすくなります。契約プランと、居住する国・地域です。Android Authority は、無料プランと Google AI Plus は対象外で、最低でも Google AI Pro が必要だと伝えています。

地域の壁もあります。公式ヘルプは、EEA(欧州経済領域)、英国、スイス、ナイジェリアでは有料プランでも Spark を利用できないとしています。有料プランに入れば世界中どこでも使える機能ではありません。

月2,900円のProから対象 — プラン・料金・対象地域・利用できる面を一覧で確認する

プラン日本での月額Spark の対象対象地域使える面
Gemini(無料)0円対象外
Google AI Plus対象外
Google AI Pro2,900円7月29日に「今後数週間以内」と告知米国外160以上の国・地域(EEA・英国・スイス・ナイジェリアは対象外)Gemini アプリ(モバイル/ウェブ)
Google AI Ultra14,500円〜提供中(日本は7月16日から)公式に地域数の言及なし(EEA・英国・スイス・ナイジェリアは対象外)同上

Google AI Pro の「米国外160以上の国・地域」は7月30日発表時点の対象範囲で、日本が具体的にこの内訳に含まれるかは公式に明記されていません。7月29日の日本向け告知は、この世界展開の直前に置かれた個別案内とみられます。Chrome 統合だけは別枠で、米国の Google AI Pro/Ultra に限られます。

ファイルの完全削除や第三者への共有は実行前に許可を求める設計 — 保存をオフにしてもチャットは72時間残る

自分のメールやドライブを触らせる以上、権限の設計は気になるところです。公式ヘルプによれば、Spark は重要な操作の前に確認を求める設計とされ、たとえばファイルの完全削除や第三者への共有といった取り消しにくい操作がこれにあたるとされています。逆にいえば、確認を求められた時点が人間の判断ポイントになります。

保存されるデータの扱いも押さえておきたいところです。アクティビティ管理のヘルプでは、アクティビティの保存をオフにしても、チャットは最大72時間保持されるとされています。あわせて、品質改善のために人間のレビュアーが内容を確認する場合があるとも案内されています。

したがって、機密性の高い情報を含むタスクを任せる場合は、保存設定をオフにするだけでは不十分だと考えたほうがよいでしょう。何を Spark に渡すかの線引きは、設定ではなく運用側で持つのが現実的です。

まとめ

Spark の Pro 拡大は、7月29日に「今後数週間以内」と告知された段階であり、まだ完了した話ではありません。まずは Gemini アプリを開き、新しいエージェント機能や Spark の案内が表示されているかを確認してみてください。表示がない場合は展開中の段階なので、しばらく待つことになります。

任せられるのは Workspace の8サービスと Google 検索、その外は MCP サーバー経由。同時実行15個・スケジュール50件という上限があり、Chrome を自動操作する統合は米国限定で日本には来ません。この線引きを把握したうえで、受信トレイの整理のような定型作業から小さく試すのが、遠回りに見えて確実でしょう。

編集後記

月14,500円〜のUltraでしか触れなかった枠が、月2,900円のProにも開かれると聞いて、私はまず同時実行15個という上限のほうが気になりました。パソコンを閉じている間も動くと言われると、つい全部を任せたくなるのですが、まずは上限の中でどこまで頼れるかを自分の目で確かめてみようと思います。

— CODE. 編集部

Photo: Ed Hardie on Unsplash

シェアいただけると励みになります!m(_ _)m
  • URLをコピーしました!
目次