Pixel Watch 5は最大1万円の値上げ、駆動時間はPixel Watch 4と同じ据え置き

手首に装着されたスマートウォッチ(Google「Pixel Watch 5」の日本発売と価格改定を伝える記事のイメージ)
目次

この記事のポイント

  • 価格差:Pixel Watch 4比で41mmは+10,000円・45mmは+8,000円(41mm Wi-Fi 62,800円〜45mm LTE 84,800円)です。
  • 値上げの理由:GoogleはPixelファミリー全体の値上げについて、LPDDR5Xメモリの価格高騰を挙げています。
  • 性能:CPU単体+12%・システム全体で総合+20%。メモリは2GB→3GBへ+50%、ストレージは32GB→64GBへ倍増しました。
  • バッテリー:容量は微増にとどまり、駆動時間の公称値はPixel Watch 4と同じです(45mmは常時表示ONで40時間)。
  • GPS:過酷な環境での経路精度が従来比2倍。他社機を上回るという主張はGoogle自身によるものです。
  • Health Guardian:血圧・インスリン抵抗性トレンドは9月以降の順次提供、呼吸緊急検知は対象国が欧州の一部で日本の記載は確認できていません。

発売5日、値上げ1万円の中身とPixel Watch 4オーナーの判断基準

Pixel Watch 5は米国時間8月12日に発表され、日本では8月20日に発売されました(HelenTech)。発売5日、買い替えを検討する人がまず気になるのは、4グレードすべてで生じた値上げ幅でしょう。

ITmedia PC USERによれば、税込価格は下表の4グレードの通りです。Google公式ブログのPixel Watch 4価格と比べると、41mmは一律10,000円、45mmは一律8,000円の値上げになります。

モデルPixel Watch 4Pixel Watch 5差額
41mm Wi-Fi52,800円62,800円+10,000円
45mm Wi-Fi59,800円67,800円+8,000円
41mm LTE69,800円79,800円+10,000円
45mm LTE76,800円84,800円+8,000円

値上げの理由について、GoogleのDevices and Services担当バイスプレジデントであるShakil Barkat氏は、LPDDR5Xメモリの価格高騰(1GBあたり2025年の2.80ドルから2026年に12ドルへ上昇)をPixelファミリー全体の値上げ理由として説明しています。AIデータセンター需要がDRAM生産の約7割を吸収する、業界全体の需給逼迫が背景だといいます(gHacks)。ただしこれはPixelファミリー全体への説明であり、Pixel Watch単体・日本での8,000〜10,000円という値上げ幅について、Googleが個別にコメントした情報は確認できていません。

日本モデルの仕様:FeliCa・取扱キャリア3社・Android必須

ガルマックスの報道によれば、日本向けモデルはFeliCaに対応し、モバイルSuica・PASMO・iD・QUICPay+が利用できるとされています。取扱キャリアはNTTドコモ・au・ソフトバンクの3社、ケース素材はアルミニウムと伝えられています。通勤で使うことを想定するなら、JR東日本が対応を進める定期券・グリーン券への対応状況も併せて確認しておきたいところです。

なお、Pixel Watch 5はAndroid専用機種で、iPhoneでは利用できません。動作には「ほとんどのAndroid 12.0以降のスマートフォン」(Android Go版を除く)とGoogleアカウント、Pixel Watchアプリが必要だとGoogle公式サポートは案内しています。日本発売の8月20日はPixel 11シリーズと同日でした。

差分は高クロック版チップとメモリ3GB化、M55コプロセッサはPixel Watch 4から続投

HelenTechによると、Pixel Watch 5のプロセッサはQualcomm Snapdragon W5 Gen 2の高クロック版「Accelerated」に、M55コプロセッサを組み合わせた構成です。M55コプロセッサ自体はPixel Watch 4にもすでに搭載されており(9to5Google)、Pixel Watch 5での構成上の差分は、プロセッサがW5 Gen 2の高クロック版に置き換わった点と、メモリ・ストレージが増量された点にあります。

Impress Watchのレビューでは、CPU単体の性能が+12%、システム全体で総合+20%の向上が報告されています。あわせてメモリは2GBから3GBへ+50%、ストレージは32GBから64GBへ倍増しました。

GPS経路精度が2倍になった仕組みと、Pixel Watch 4/5フルスペック比較

ランニングや登山でスマートウォッチを使う人にとって刺さるのが、GPSの進化です。Google公式ブログによれば、Pixel Watch 5は高層ビル街や山間部など電波が乱反射・遮断されやすい過酷な環境で、経路の記録精度が従来比2倍になったとされています。

仕組みは、Googleマップの3D建物モデルで衛星測位の経路を補正し、気象観測所ネットワークのデータで大気による誤差を補正するというものです。同ブログでGoogleは、この結果Apple Watch Ultra 3やGarmin Fenix 8 Proといった他社の高精度GPS機を上回ると主張していますが、これはGoogle自身の測定に基づく主張であり、第三者による独立検証は確認されていません。

ディスプレイ仕様を含むフルスペックは、Android Headlines(Pixel Watch 5)とGSMArena(Pixel Watch 4)の情報をもとに、以下の表へまとめました。

項目Pixel Watch 4Pixel Watch 5
プロセッサSnapdragon W5 Gen 2(無印)+M55コプロセッサSnapdragon W5 Gen 2 Accelerated(高クロック版)+M55コプロセッサ
メモリ2GB3GB
ストレージ32GB64GB
ディスプレイActua 360(ドーム型)・Gorilla Glass 5・最大3,000nit・456×456pxActua 360(ドーム型AMOLED・LTPO)・Gorilla Glass 5・最大3,000nit
バッテリー容量41mm 325mAh/45mm 455mAh41mm 332mAh/45mm 465mAh
駆動時間(常時表示ON/省電力)41mm 30時間/48時間・45mm 40時間/72時間41mm 30時間/48時間・45mm 40時間/72時間
急速充電41mmは15分で50%・45分で100%(Quick Charge Dock+30Wアダプタ〔別売〕使用時。45mm単独の数値は未確認/Android Police15分で50%・30分で80%・満充電1時間

表で目を引くのはバッテリーです。容量は41mmで325mAh→332mAh、45mmで455mAh→465mAhとごくわずかな増加にとどまり、常時表示ONでの駆動時間(41mm 30時間・45mm 40時間)と省電力モードでの駆動時間(41mm 48時間・45mm 72時間)の公称値は、Pixel Watch 4とPixel Watch 5で同じです。電池持ちの改善を買い替え理由にするなら、Pixel Watch 5である必然性は薄いといえます。なお「LTPO」は、画面のリフレッシュレートを表示内容に応じて自動で下げ、消費電力を抑える技術です。

Health Guardianは今使えるのか — 呼吸緊急検知は対象国限定、日本は記載確認できず

Pixel Watch 5最大の目玉が、新健康機能「Health Guardian」です。ケータイ Watchによれば、①血圧トレンド(月次)②インスリン抵抗性トレンド(月次)③呼吸緊急検知(睡眠中の血中酸素飽和度の急落を検知)の3本柱で構成されます。インスリン抵抗性とは体がインスリンの働きに反応しにくくなる状態を指す指標で、Health Guardianはその傾向を可視化するものであり、疾患を診断・予防する医療機器ではありません。

このうち①血圧トレンドと②インスリン抵抗性トレンドは、BIGGOの報道によればGoogle Healthを通じて9月(今秋)以降に順次提供されるとみられています。③呼吸緊急検知はすでに提供が始まっていますが、対象国はオーストリア・デンマーク・フランス・ドイツ・アイルランド・イタリア・オランダ・ノルウェー・スウェーデン・スイス・英国など欧州の一部にとどまります(Android AuthorityGoogle公式ブログ)。米国はFDA未承認のため対象外とされ、対象国のリストに日本の記載は確認できていません。なお呼吸緊急検知はPixel Watch 5専用の新機能ではなく、Pixel Watch 4にも提供されます。

日本の読者にとっては、3本柱のいずれも発売時点で確実に使えるとは言い切れない状態にあります。①②は9月以降の機能追加を待つ必要があり、③は仮に対象国が広がるとしても、それがいつ・日本を含むかは現時点で確認できていません。健康機能を主な目的に買うなら、ここが最大の不確実要素になります。

15分で50%戻る急速充電と、Geminiの音声操作が効く場面

急速充電は15分で50%、30分で80%、満充電まで約1時間とされています(Android Headlines)。充電を忘れた朝でも、身支度の間に半分近くまで戻せる計算です。駆動時間そのものは前モデルと変わらないため、恩恵を受けやすいのは「寝ている間に充電する習慣がない人」でしょう。

Wear OS 7.0にはGeminiが統合され、9to5Googleによれば手首を上げて話しかけるだけでワークアウト開始・タイマー設定・予定確認などを音声で行えます。オフラインでも基本的な音声操作は動作するとされています。「At a Glance」への搭乗券表示などは、今後の提供が予告されています。

まとめ

買うか待つかは、いま手元にある機種で変わります。外観はPixel Watch 4からほぼ変化がなく、Impress WatchのレビューでもGPS精度とバッテリー持ちは好評な一方、健康予測機能の信頼性には懐疑的な声もあると報告されています。

①Pixel Watch 4を持っている人:駆動時間の公称値は据え置き、外観もほぼ同じで、呼吸緊急検知はPixel Watch 4にも提供されます。8,000〜10,000円を払って手に入るのは、実質的にCPU+12%・システム全体+20%の速度と、メモリ・ストレージの増量、そしてGPS経路精度の向上です。この3点を強く必要としないなら、9月以降のHealth Guardian機能追加と対象国の状況を見てから判断しても遅くありません。

②Pixel Watch 3以前を持っている人:Pixel Watch 4を飛ばして買い替えることになるため、メモリ2GB→3GB・ストレージ32GB→64GBの増量とGPS経路精度の向上をまとめて受け取れます。予算を抑えるなら在庫のあるPixel Watch 4を選ぶ手もありますが、その場合メモリは2GBのままです。

③初めて買う人・他社機から乗り換える人:まずAndroidスマートフォンを使っているかを確認したいところです。iPhoneでは動作しません。サイズは、45mmが常時表示ONで40時間、41mmが30時間と差があります。最も安いのは41mm Wi-Fiの62,800円で、駆動時間を取るか価格を取るかが分かれ目になります。

数字で確実に効くのはGPSと処理速度、不確実なのは健康機能の日本での提供範囲。この線引きが、今買うか待つかの分かれ目になります。

編集後記

Pixel Watch 5、最大1万円の値上げには正直驚きましたが、駆動時間の公称値はPixel Watch 4と据え置きだと知り、私は少し肩透かしを感じました。目玉のHealth Guardianも、血圧・インスリン抵抗性トレンドは9月以降、呼吸緊急検知は対象国に日本の記載が見当たらず、今すぐ全部使えるわけではないんですよね。

— CODE. 編集部

Photo: Luke Chesser on Unsplash

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