Googleは7月29日、macOS版のGeminiアプリに音声入力機能「Speak to Window」を追加しました(Google公式ブログ)。Fnキーを長押しして話し、離すと、整形済みのテキストが、いま編集中のアプリのカーソル位置に直接入ります。
ただし、現時点で話せるのは英語だけです。日本語で口述したい読者には、ここが導入判断を分ける事実になります。
この記事では、操作方法、対応言語、フィラー除去の仕組み、推論のON/OFFで何が変わるか、自分のMacが対象か、初回に求められる権限を整理します。
Fnキーを長押しして話すと、カーソル位置に整形済みのテキストが入る
Speak to Windowは「録音して後から書き起こす」機能ではありません。従来のディクテーションや文字起こしアプリでは、専用の画面で話し、できたテキストを選んでコピーし、目的のアプリに戻って貼り付ける往復が必要でした。Speak to Windowは、この往復そのものが発生しません。
話しかける先はGeminiのチャット画面ではなく、前面にある作業中のウィンドウです。メール本文、ドキュメント、チャットの入力欄、コードのコメントなど、テキストを打てる場所なら同じ操作で使えます(Google公式ブログ)。
長い口述はFnキーのダブルタップでハンズフリー録音、再タップで終了
長文でキーを押し続けるのは現実的ではありません。Gemini公式リリースノートによれば、Fnキーをダブルタップすると指を離しても録音が続き、もう一度タップで終了します。会議メモや長いメールの下書きでは、こちらが前提の操作になります。
話せるのは英語だけ。日本語は「対応言語は今後追加」とだけ告知されている
現時点でSpeak to Windowが受け付ける音声は英語のみで、日本語で話しても口述入力としては機能しません。
Googleは対応言語を今後追加するとしていますが、日本語がいつ対象になるかの時期は公表されていません(Google公式ブログ)。
英文メールや英語ドキュメントを書く場面がある人は今日から実利があります。日本語での口述が目的なら、見通しが立たない以上、いま環境を整える必然性は薄いという判断になります。
「um」「ah」と言い直しが消えて箇条書きになる — 言い淀み(フィラー)除去はデフォルトでON
挿入されるのは、話した言葉をそのまま文字にしたものではありません。公式リリースノートによれば、「um」「ah」といったつなぎ語は除去され、言い直した箇所は後の内容が反映され、内容に応じて箇条書きや段落へ構造化されます(Gemini公式リリースノート)。
この整形はデフォルトで有効です。生の発話を残したい用途には向きませんが、そのまま送れる文面に近い状態で入るのが単純な音声入力との違いです。
なお、整形処理はMac上では完結せず、音声はGoogle側に送信されて処理されます。安定したインターネット接続が必須とされているのもこのためです。機密性の高い内容を話す際は、音声がGoogleに送られる点を踏まえて扱う必要があります。
設定>Speak to Windowタブで推論をONにすると、リライト・要約・画像生成までFnキー1つで指示できる
Speak to Windowには、音声を「文字」として受け取るか「指示」としても受け取るかの切り替えがあります。設定画面のSpeak to Windowタブで推論(reasoning)をONにすると、後者が有効になります。
ONにしてもショートカットはFnキーのままです。ユーザーがモードを選ぶのではなく、話した内容からGeminiが入力か指示かを自動で判別します(@GeminiApp の公式ポスト)。
OFFのままなら、音声を整形して挿入するところで止まる
推論OFFでは動作は口述筆記に限定されます。誤って指示として解釈されるのを避けたいなら、OFFのままが素直です。
ONで増える3つ — 選択テキストのトーン変更、ファイルや画像の要約とメール下書き、音声指示での画像生成・編集
推論をONにすると、選択したテキストのトーン変更やリライト、ローカルのファイルや画像の要約とそれを踏まえたメール下書き、音声での画像生成・編集の3つが加わります。
対象はM1以降のApple SiliconとmacOS Sequoia 15.0以降、Intel Macは非対応
自分のMacが対象かは、機種・OS・対応言語・アプリの観点で判定できます。Google公式サポートによれば、要件は次のとおりです。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| プロセッサ | M1以降のApple Silicon(Intel Macは対象外) |
| OS | macOS Sequoia 15.0以降 |
| 対応言語 | 英語のみ |
| アプリ | Gemini for Mac デスクトップアプリ |
Intel Macでは、OSを上げても対象になりません。回避策は案内されておらず、実質的に取れる選択肢はないのが現時点の結論です(Google公式サポート)。
有料プラン限定の告知はなく、全ユーザーへの展開として案内されている
課金プランについて、有料プラン限定とする告知は出ていません。Googleの公式リリースノートでは、macOS版Geminiアプリの全ユーザー向けに展開すると案内されています(Gemini公式リリースノート)。
初回はアクセシビリティ権限、画面共有には別途「画面収録」 — 推論ON時にGeminiが見るもの
権限は2段階で求められます。まず初回に、グローバルキーボードショートカット(Fnキー)を有効にするためのアクセシビリティ権限。画面の内容を文脈として使う場合は、別途「画面収録」の権限です。
推論ON時にGeminiが文脈として参照するのは、原則としてフォアグラウンドのウィンドウとされています。ローカルファイルは、ユーザーが意図的に共有した範囲に限られるとされています。
裏を返せば、権限を与えた状態では前面のウィンドウが参照対象になり得ます。機密資料を開いたまま使うなら、推論をOFFに戻すかウィンドウを切り替えてから話すのが安全側です。
まとめ
Speak to Windowは、Fnキー長押しで話すだけで整形済みのテキストがカーソル位置に入る機能で、推論をONにすれば同じキーでリライト・要約・画像生成の指示までこなします。
一方で対象はM1以降のApple SiliconとmacOS Sequoia 15.0以降、話せる言語は英語のみです。日本語対応の時期は公表されておらず、日本語での口述が目的ならいまは待ちの判断になります。
編集後記
Fnキーを長押しして話すだけで整形済みのテキストが入るというのは、かなり快適そうな印象です。ただ、話せるのが英語だけと読んだところで、私の指はキーボードに戻ってしまいました。Speak to Window が日本語を覚える日を、わりと本気で待っています。
— CODE. 編集部
Photo: Alexander Sinn on Unsplash

