この記事のポイント
- いつ:2026年1月14日にクラウドファンディング開始のリリースが出て、2026年4月12日時点ではAmazon.co.jpでの販売が観測されている製品です
- 何が:ORICOの7-in-1トラベル電源タップ「AP3」(日本向け型番 AP3-3A2U2C-65-JP)。AC3口+USB-A2口+USB-C2口を約115×58×42mmの本体に収め、電源コードは本体に巻き取ります
- 誰に:出張・旅行で複数のガジェットを一つにまとめて持ち運びたい人(ノートPCを含める場合はAC口を使う前提)
- なぜ重要:単独ポート時の上限(USB-C 65W/USB-A 18W)と、公式スペック表のUSB合計出力「45+12W(MAX)」は別の数字です。前者だけを見ると複数ポート同時使用時の実力を誤解します
- 読者は何をすべきか:同時に使うUSB機器の構成を確認し、ノートPCを含めるならAC口を使う前提で選ぶ。菱形PSE表示と定格を確認したうえで、価格は公式サイト・Amazon.co.jpで最新を確認する(2026年4月時点の参考価格は本文参照)
AC3口+USB4口を115×58×42mmに、電源コードは本体に巻き取る
AP3の設計上の主張は「口数と携帯性の両立」です。AC3口・USB-A2口・USB-C2口の計7口を備え、最大7台を同時に充電できるとORICO公式が説明しています。
サイズは約115×58×42mm、重量は約340g。約1.27mの電源コードは本体に巻き取って収納し、付属バンドで固定する構造だとGREENFUNDINGのプロジェクトページに記載があります。ケーブルが別体で暴れないぶん、鞄の中では実寸以上にまとまります。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 型番(日本向け) | AP3-3A2U2C-65-JP |
| ポート | AC×3/USB-A×2/USB-C×2(計7口) |
| USB-C出力 | 最大65W(PD対応・GaN採用) |
| USB-A出力 | 最大18W |
| USB合計出力 | 45+12W(MAX) |
| 本体サイズ | 約115×58×42mm |
| 重量 | 約340g |
| 電源コード | 約1.27m(本体巻き取り式) |
| 定格 | MAX 1875W/MAX 15A/125V〜 |
| 入力 | 100-250V〜、50/60Hz |
| 認証 | 菱形PSE(特定電気用品) |
| 保証 | 18ヶ月 |
GaN(窒化ガリウム)は、従来のシリコンより高い電圧・周波数で動作できる半導体材料で、充電回路の小型化に使われます。340gという重量は、この構成の対価と考えるのが妥当です。
カラー4色・PC/ABS素材・プラグ形状はUS/JP規格あり(日本向け型番はAP3-3A2U2C-65-JP)
素材はPC・ABS樹脂、カラーはWhite/Black/Blue/Purpleの4色、プラグ形状はUS規格とJP規格が用意されるとORICO公式が示しています。日本国内で買う場合は、型番末尾の「JP」を確認するのが確実です。
USB-C単独65W・USB-A単独18Wとは別に、公式表には「USB合計45+12W(MAX)」がある
公式が示しているのは、性質の異なる2つの数字です。ひとつはポート単独時の公称上限で、USB-CはPD対応で最大65W、USB-Aは最大18W。もうひとつは公式スペック表に記載されたUSB合計出力の「45+12W(MAX)」という表記です。
今回確認できた範囲では、この2つを結びつける説明——どのポートに何Wを振り分けるのか、合計表記の「45」と「12」がどのポートに対応するのか——は公式に示されていません。内訳が非公開である以上、「4口挿しても各ポートが65W/18Wを維持する」と読むこともできません。読者が押さえるべきは、単独時の上限とは別に、USB側には合計の上限表記が公式に明記されているという事実のほうです。
「MacBook Proを約37分で50%」はメーカー公称値であり実測でも機種特定でもない
GREENFUNDINGのページには、USB-C PD 65WでMacBook Proを約37分で50%まで充電できるというメーカー説明が載っています。これはメーカー公称値であり、第三者の実測値ではありません。加えてMacBook Proの機種・世代も特定されていないため、手元の1台で再現する数字としては扱えません。
PD/QC対応・接続機器の自動判別スマート充電機能が担う範囲
AP3はPD(USB Power Delivery=USB-Cで機器と電力を交渉して大出力を供給する規格)とQC(Quick Charge=クアルコムの急速充電規格)に対応し、接続機器を自動判別するスマート充電機能を備えるとGREENFUNDINGが説明しています。この機能が担うのは「機器に合った電圧・電流を選ぶこと」であって、総枠そのものを増やすことではありません。
ノートPCをUSB-Cで充電するときに確認したいこと
公式スペック表の「45+12W(MAX)」は、USB-C側とUSB-A側それぞれに合計出力の上限があることを示す表記です。ただし、どちらの数字がどちらのポート種別に対応するのか、また複数ポートを同時に使ったときに単独時の上限(USB-C 65W/USB-A 18W)がそのまま保たれるのかは、公式に明記されていません。
確実に言えるのは、単独ポート時の上限と、公式表のUSB合計出力表記は別の数字であり、両者の関係は公式資料からは読み取れないという点です。したがって、ノートPCをUSB-Cで充電しながら他のUSB機器も同時に急速充電したい場合、単独時と同じ65W出力がそのまま出るとは考えないほうが安全です。
複数ポートを同時に使うなら、単独時の最大値がそのまま出るとは期待せず、AC3口(USB合計出力とは別枠)も充電計画に組み込むのが現実的です。純正ACアダプタを持つ機器をAC口に回すと、USB側の余裕を確保しやすくなります。
「約1cm」はフラットプラグの厚さで、本体は42mm厚
「約1cmの薄型」という表現を見かけますが、realsoundの記事が指摘するとおり、この約1cmは薄型フラットプラグの厚さであり、本体の厚さではありません。本体は42mm厚です。
実用上の意味は、家具の裏や壁際にプラグを挿しても飛び出しが少ない、という点にあります。鞄の中の占有感を左右するのは42mm×115mm×58mmのほうです。この2つを混同すると、開封時の印象が期待とずれます。
菱形PSE(特定電気用品)・MAX1875W/15A・入力100-250Vが意味すること
電源タップで最初に見るべきはPSE表示です。PSEは電気用品安全法に基づく適合表示で、リスクの高い品目である「特定電気用品」は菱形、それ以外は丸形のマークが付きます。AP3は菱形PSE(特定電気用品)を取得済みとPR TIMESのリリースに記載があります。
定格はMAX 1875W/MAX 15A/125V〜。1875Wは125V基準の値なので、日本の100V環境では15A×100V=1500Wが実質の上限目安になります(定格表記からの計算)。過電流・過電圧・過熱・ショート等の多重保護機能と難燃素材の採用、18ヶ月の品質保証も併せて判断材料になります。
入力100-250V対応とプラグ形状は別問題(海外で使う場合の追加確認事項)
入力は100-250V〜/50/60Hz対応ですが、これは「その電圧を受けられる」という話で、現地のコンセント形状に挿さるかは別の問題です。プラグ形状はUS規格とJP規格の設定があるため、渡航先の形状と変換プラグの要否は個別に確認してください。
巻き取り式トラベルタップを選ぶときの4つの確認項目
他の巻き取り式トラベルタップと比べるときに見ておきたい確認項目は次の4つです。AP3に限らず、同種の製品を比較するときに同じ順で見れば判断が速くなります。
| 確認項目 | 見るべき数字・表示 | AP3の場合 |
|---|---|---|
| AC/USB口数の比率 | 自分の機器構成と合うか | AC3+USB4(USB寄り) |
| USB合計出力の総枠 | 単ポート最大値ではなく合計表記 | 45+12W(MAX) |
| コード長と収納方式 | 長さ・巻き取りの有無 | 約1.27m・本体巻き取り+バンド |
| PSE区分と保護機能 | 菱形/丸形・多重保護の内訳 | 菱形PSE・多重保護・難燃素材 |
この4軸でAP3自身を位置づけると、性格ははっきりしています。AC3口+USB4口という「口数」を優先した設計で、USB側は単独ポート時の上限(65W/18W)とは別に、公式表記上「45+12W(MAX)」という合計出力の上限が示されています。
したがって、スマートフォン・イヤホン・モバイルバッテリーといった小型機器を複数まとめて充電する使い方なら、USB側だけで運用が回ります。一方、ノートPCをUSB-Cで充電しながら他のUSB機器も同時に急速充電したいという使い方は、合計出力の上限に収まらない可能性があります。ノートPCにはAC口経由の純正ACアダプタを使う、あるいはUSB-Cポートを単独で使う(他のUSBポートは空けておく)といった運用を前提に選ぶのが現実的です。
2026年1月のクラウドファンディングから4月のAmazon掲載まで、いま買える製品としての位置づけ
AP3は新規の製品情報ではありません。2026年1月14日にPR TIMESで、GREENFUNDING「EE-Life」上でクラウドファンディング開始が告知されています。
その後、2026年4月12日時点でMac OTAKARAが同型番のAmazon.co.jp販売(クーポン適用で2,242円)を伝えています。これはあくまで同年4月時点の観測です。2026年4月時点で確認された国内入手経路としては、Amazon.co.jp(ASIN B0G12DGWF6)と楽天市場の取扱店が挙げられます。
2026年4月12日時点は「クーポン適用で2,242円」の報道 — 現在価格は購入前に必ず確認する
価格の目安として使えるのは、Mac OTAKARAが伝えた2026年4月12日時点の「クーポン適用で2,242円」という数字です。ただしこれは4月時点の観測であり、セール・クーポンの適用状況によって実売価格は動くため、現在の価格が異なる可能性があります。
本記事では現在価格を断定しません。購入を検討する際は、ORICO公式サイトとAmazon.co.jpの商品ページで、その時点の価格と型番(AP3-3A2U2C-65-JP)を必ず確認してください。
まとめ
AP3は、AC3口+USB4口という口数を約340g・115×58×42mmに収め、コードを本体に巻き取る設計のトラベル電源タップです。公式が示す数字は、ポート単独時の上限(USB-C 65W/USB-A 18W)と、USB合計出力の表記「45+12W(MAX)」の2種類があり、前者だけを見ないことが判断の肝になります。
向くのは、スマートフォン・イヤホン・モバイルバッテリーなど小型機器を複数まとめて充電したい人です。ノートPCをUSB-Cで充電するなら単独ポート使用を基本にし、他のUSB機器も同時に急速充電したい場合はAC3口(純正ACアダプタ)を使う——この使い分けができるかが購入判断の軸になります。菱形PSE表示と定格1875W/15A(100V環境では1500Wが目安)を確認したうえで、最新価格は公式サイトとAmazon.co.jpで確かめてください。
編集後記
「約1cmの薄型」がプラグの厚さで、本体は42mm厚だという一節で、私は自分の思い込みを一つ剥がされました。単独65Wと公式表の「45+12W(MAX)」が別の数字だという話も同じで、数字は並んでいるだけでは意味が決まらないのだと改めて思います。
— CODE. 編集部
Photo: Rebecca Aldama on Unsplash

