この記事のポイント
- いつ:2026年8月17日に発表、同日発売
- 何が:XPPen(HANVON UGEE TECHNOLOGY CO., LTD.)の14型有機ELペンディスプレイ「Artist Ultra 14」
- いくら:国内直販119,800円(税込)/米国699ドル
- なぜ重要:スタイラス1本で最大10画面を操作する「バーチャルタブレット」を搭載し、他のXPPen機にもドライバー更新で配る予定としている
- 読者は何をすべきか:競合のWacom Movink 13とは価格差わずか1,000円。解像度・筆圧を取るか、420gの軽さを取るかで選ぶ
14型2.8K有機EL・Delta E<1が119,800円で出た — Artist Ultra 14 は8月17日発表即発売
XPPenは2026年8月17日、14型の有機ELペンディスプレイ「Artist Ultra 14」を発表し、同日発売しました(PR TIMES)。国内直販価格は119,800円(税込)、米国では699ドルです(共同通信PRワイヤー)。
パネルは2,880×1,800ドット、リフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える回数)は90Hz、階調はネイティブ10bit対応です(PC Watch)。10bitは各原色を1,024階調で表す方式で、8bit(256階調)に比べてグラデーションの段差が出にくくなります。
色域はsRGB・Adobe RGB・Display P3をいずれも99%カバーします。加えて輝度350cd/m²、コントラスト比100,000:1、色の正確さを示すDelta Eは1未満、第三者測定のCalman Verifiedを取得しています(PC Watch)。Delta Eは「表示された色と本来の色のズレ」を数値化した指標で、1未満は人間の目でほぼ見分けがつかない水準とされます。印刷入稿や納品前の色校正を自分の手元で完結させたい人には、ここが実利になります。
スタイラス1本で最大10画面 — 「バーチャルタブレット」は他の XPPen 機にも展開予定
本機で最も新しいのは「バーチャルタブレット」機能です。ペン1本で最大10枚の画面を操作対象にでき、画面をまたいだファイルのドラッグやウィンドウの移動をペン操作のまま行えます(共同通信PRワイヤー)。
液タブとメインモニタ、サブモニタを併用していると、これまでは「描くときはペン、動かすときはマウス」と持ち替えが発生していました。作業机の上でペンを置く回数が減るという意味で、地味ですが日常的に効く改善です。
XPPenはこの機能を、ドライバー更新によって他のXPPen製品にも順次対応させる予定としています(PR TIMES)。対象機種・時期は現時点で公表されておらず、あくまで予定として受け取るのが妥当です。すでにXPPen機を持っている人は、買い替えずに恩恵を受けられる可能性がある、という読み方になります。
指で拡大・回転できる「X-Touch」と無線リモコンACK05
画面はマルチタッチ「X-Touch」に対応し、指でのキャンバス拡大・縮小・回転が可能です(XPPen製品ページ)。さらに無線ショートカットリモコン「ACK05」が同梱されており、ペン・指・リモコンの3系統でショートカットを分担できます(PR TIMES)。
720g・厚さ8mmのアルミ合金背面パネルと14.5mmベゼル — AGナノエッチングとハイブリッド輝度調整をうたう
重量は720g、厚さは8mmです(PR TIMES)。ベゼル幅は14.5mmで、ガラスをパネル上に浮かせるフローティングガラス構造を採用しています(XPPen Japan公式X)。
背面パネルはアルミ合金製で、手首が当たる縁はわずかに湾曲した設計です。表面はAG(アンチグレア)ナノエッチング加工とハイブリッド輝度調整技術により、外光の映り込みと目の負担を抑える設計としています(PR TIMES)。
Wacom Movink 13 と1,000円差 — 解像度と筆圧を取るか、420gの軽さを取るか
持ち運べる有機EL液タブという枠で、現実的な比較対象はWacomの「Movink 13」です。直販価格は118,800円(税込)で、Artist Ultra 14との差はわずか1,000円しかありません(AKIBA PC Hotline!)。価格がほぼ同じである以上、選択は純粋にスペックのトレードオフになります。
解像度2.5倍・筆圧2倍、それでも価格差は1,000円
| 項目 | XPPen Artist Ultra 14 | Wacom Movink 13 |
|---|---|---|
| 画面サイズ | 14型 | 13.3型 |
| 解像度 | 2,880×1,800 | 1,920×1,080 |
| リフレッシュレート | 90Hz | 60Hz |
| 色域 | sRGB・Adobe RGB・Display P3 各99% | Adobe RGB 95%・DCI-P3 100% |
| コントラスト比 | 100,000:1 | 100,000:1 |
| 筆圧 | 16,384段階 | 8,192段階 |
| 重量 | 720g | 約420g |
| 厚さ | 8mm | 最薄部4mm・最厚部6.6mm |
| 同梱 | X3 Proスタイラス2本+ACK05リモコン | Wacom Pro Pen 3 |
| 直販価格 | 119,800円(税込) | 118,800円(税込) |
Movink 13のスペックはITmedia PC USERおよびAKIBA PC Hotline!、Artist Ultra 14側はPR TIMESとPC Watchに基づきます。
画質を取るか、300g軽いか
画素数は約2.5倍、筆圧段階は2倍で、Artist Ultra 14が数値上は明確に上です。細部を描き込むイラスト、拡大しての線の修正、写真のレタッチが主用途なら、同じ価格でこの差を捨てる理由は乏しいでしょう。X3 Proスタイラスは筆圧16,384段階・傾き検知60度に対応し(PR TIMES)、しかも2本同梱されます。
一方でMovink 13は約420gと、300g軽くなっています。カフェや客先に毎日持ち出すなら、この差はカバンを持った瞬間に体感できます。「据え置き寄りで画質最優先」ならArtist Ultra 14、「毎日持ち歩く前提の軽さ最優先」ならMovink 13、という切り分けが実務的です。
USB-C 1本でAndroidスマホにも繋がる — タッチ対応はWindowsとLinuxで条件あり
接続はUSB-Cケーブル1本での映像・電源・データ伝送に対応し、HDMI接続やAndroid端末との接続も可能とされています(XPPen製品ページ)。ただし、Android接続にはUSB 3.1・DisplayPort 1.2への対応が条件で、手持ちのスマホがこれを満たすかは購入前に確認が必要です。
対応OSにも段差があります。同社製品ページによれば、Windows 7以降・macOS 12以降・Android 10.0以降(USB 3.1・DisplayPort 1.2対応が必要)・ChromeOS 88以降・Linuxに対応しますが、Windowsではタッチ機能の利用にWindows 10以降が必要とされ、Windows 7では表示はできてもタッチは利用できません。Linuxでは、タッチ機能の利用にUbuntu 20.04 LTS以降が必要とされています。旧環境を併用している人ほど、この一点を先に潰しておくべきです。仕様は更新される可能性があるため、購入前に公式製品ページで最新の対応表を確認してください。
まとめ
Artist Ultra 14は、14型2.8K有機EL・Delta E<1・筆圧16,384段階を119,800円で出してきた製品です。ほぼ同価格のWacom Movink 13とは、画質と筆圧を取るか携帯性を取るかという、わかりやすいトレードオフの関係にあります。
もう一つの見どころは、バーチャルタブレットがドライバー更新で他機種にも配られる予定とされている点です。これが実際に降りてくれば、新製品の価値が旧機種のユーザーにも波及することになります。対象機種と時期の続報を待ちたいところです。
なお、対応OSにもWindowsやLinuxでのタッチ条件といった段差があります。自分の環境で使えるかどうかは、購入前に公式製品ページで確認しておくのが確実です。
編集後記
「スタイラス1本で最大10画面」という見出しに、私はすっかり気を取られていました。実際に選ぶ段になると、ほぼ同価格のWacom Movink 13と比べて、2.8K有機ELの画質を取るか420gの軽さを取るかという地味な一点に戻ってくるのですね。バーチャルタブレットが他機種にも降りてくるかどうかは、静かに続報を待ちたいと思います。
— CODE. 編集部
- Source:PR TIMES
- Source:共同通信PRワイヤー
- Source:PC Watch
- Source:XPPen製品ページ
- Source:XPPen Japan(X)
- Source:AKIBA PC Hotline!
- Source:ITmedia PC USER
Photo: Kelly Sikkema on Unsplash

