ASUS の小型ゲーミング PC「ROG NUC 16」に、上位構成より 1,300 ドル安い 2,499 ドルの新構成が加わりました。GPU はノート PC 用の RTX 5060 Laptop GPU です。廉価構成の中身、3,799 ドル構成との差、買う前に「確定していないこと」を出典つきで整理します。
3リットル筐体に入ったのはノート用GPU — 2,499ドル構成の位置づけ
この構成は ROG NUC 16 の入口にあたります。Core Ultra 7 270HX Plus と GeForce RTX 5060 Laptop GPU を組み合わせ、米国で 2,499 ドルの予約が始まりました(VideoCardz)。ノート用 GPU なのは、本体が約 3 リットルに収まるためです。
メモリは 32GB DDR5-6400、ストレージは 1TB PCIe 4.0 NVMe SSD が標準です(Notebookcheck)。CPU は 20 コア 20 スレッド(8P+12E)・最大 5.30GHz・L3 30MB(Intel ARK)。
出荷開始は8月1日 — ただし原典はASUS eShopの1本
出荷開始日は 8 月 1 日とされますが、根拠は ASUS 直販ページ(SKU: 90AS00S1-M00260)1 本です(ASUS eShop)。プレスリリースで告知された日付ではなく、変動しうるものと見ておくのが安全です。
CUDA 3,328基・GDDR7 8GB・DLSS4 — 仕様表に載らない「動作TGP」が性能を決める
RTX 5060 Laptop GPU は Blackwell 世代で、CUDA コア 3,328 基、GDDR7 メモリ 8GB を搭載し、DLSS 4 に対応します(VideoCardz)。DLSS は低い解像度で描いた映像を AI で補完してフレームレートを稼ぐ技術です。GPU は GB206・4nm で、128bit バス・帯域 448GB/s です(VideoCardz Database)。
ただし、この数字だけでは実性能は決まりません。ノート用 GPU には TGP(Total Graphics Power=GPU に割り当てられる電力の枠) があり、公式レンジは 45W〜100W と幅があります。同じ型番でも 45W 動作と 100W 動作では体感が変わります。
そして 廉価構成が何 W で動くのかは、本稿執筆時点で公表されていません。購入判断には CUDA コア数よりこの 1 行が効きます。
1,300ドルの差で変わるもの・変わらないもの(2,499ドル vs 3,799ドル)
確認できている範囲では、CPU が Core Ultra 7 270HX Plus から Core Ultra 9 290HX Plus に、GPU が RTX 5060 Laptop GPU から RTX 5080 Laptop GPU に変わります。この上位構成が 3,799 ドルです(The PC Enthusiast)。一方、標準搭載メモリ・ストレージは 32GB DDR5-6400/1TB PCIe 4.0 NVMe SSD と、廉価構成と同一です(同ソース)。1,300 ドルの差は CPU と GPU に絞られます。
一方、筐体・冷却・拡張性という土台は共通です。メモリの増設上限は DDR5-6400 で最大 128GB、M.2 は PCIe 5.0 と 4.0 の両スロットを備えます(ASUS 公式)。安い側でも伸びしろは削られません。
| 項目 | 2,499ドル構成 | 3,799ドル構成 |
|---|---|---|
| CPU | Core Ultra 7 270HX Plus(20コア20スレッド/最大5.30GHz) | Core Ultra 9 290HX Plus |
| GPU | RTX 5060 Laptop GPU(CUDA 3,328基/GDDR7 8GB) | RTX 5080 Laptop GPU |
| メモリ/ストレージ(標準) | 32GB DDR5-6400/1TB PCIe 4.0 NVMe SSD | 同じ |
| 筐体・冷却 | 3リットル/QuietFlow Cooling | 同じ |
| 拡張性 | DDR5-6400 最大128GB/M.2 は PCIe 5.0+4.0 | 同じ |
| 価格 | 2,499ドル | 3,799ドル |
「4,400〜4,500ドル」は中国価格の換算とみられる。米国実売は3,799ドル
発表直後に一部で伝えられた上位構成 4,400〜4,500 ドルという価格は、中国での想定価格(29,999〜30,499 元)をドル換算した数字とみられます。ASUS 公式の米国実売価格は 3,799 ドルです(The PC Enthusiast)。
なお ASUS は上位構成が前世代比で 3DMark 最大 2.3% 向上したと説明しますが(TNW)、これは上位構成同士の世代比較です。今回の 2 構成を直接比べたデータは非公開で、構成選びの根拠にはできません。
102mmファン3基とデュアルベイパーチャンバー、そして「38dBAをわずかに下回る」は誰の数字か
冷却機構「QuietFlow Cooling」は、102×102×17mm のファン 3 基とデュアルベイパーチャンバーで構成されます(ASUS 公式)。ベイパーチャンバーは液体の蒸発と凝縮で熱を面で運ぶ板状の放熱部品で、ヒートパイプより広く熱を散らせます。
特許取得の着脱式スタンドは縦置き・横置きに対応し、センサーが向きを検知して冷却設定を調整します。
騒音は「最大負荷時でも 38dBA をわずかに下回る」と ASUS が説明しています。ただしこれは ASUS の主張値で、RTX 5080 構成の発表時に示された説明です。今回の RTX 5060 構成を測定した値ではありません。
買う前に確定していないこと — 日本発売・電源アダプタ・ポート本数・OS
いずれも仕様表の主要スペックには表れないため、構成表を見比べるだけでは気づけない項目です。
日本での発売と価格は未発表です。国内でいつ・いくらで買えるかは、現時点では見通せません。
電源アダプタの容量も未確認です。しばしば見る 380W は上位構成の値の可能性が高く、廉価構成の値は分かっていません。
ポートの本数も確定していません。Thunderbolt 4・HDMI 2.1・DisplayPort 2.1・Wi-Fi 7 という種類は確認できる一方、本数は媒体間で記載が一致していません(TechPowerUp)。マルチディスプレイ前提なら、購入直前に販売ページで確認してください。
OS の版も同様です。ROG 公式の製品ページには Windows 11 Home と記載がありますが(ROG 公式)、これは ROG NUC 16 全体の製品ページの記載で、2,499 ドル構成に固有の記載かどうかは確認できていません。
まとめ
拡張性を重視するなら、2,499 ドル構成は素直に評価できます。最大 128GB のメモリ増設と PCIe 5.0/4.0 の M.2、3 リットル筐体と冷却という土台が上位構成と共通だからです。
逆にゲーム性能で選ぶなら待つのが賢明です。実性能は 45W〜100W のどこで動くかで変わり、その動作 TGP も日本での発売・価格も未公表だからです。
編集後記
据え置きの PC にノート用の GPU を載せる、という一行に、私は最初すこし身構えました。ただ 3 リットルの箱に収めると先に決めたのなら、そこから逆算した割り切りなのだろうと思い直しています。ROG NUC 16 という小さくすると決めた製品は、どこかでこの種の選択をしているのだろうと感じました。
— CODE. 編集部
- Source: VideoCardz(1)
- Source: Notebookcheck
- Source: Intel ARK
- Source: ASUS eShop
- Source: VideoCardz(2)
- Source: VideoCardz Database
- Source: The PC Enthusiast(1)
- Source: ASUS 公式(1)
- Source: The PC Enthusiast(2)
- Source: TNW
- Source: TechPowerUp
- Source: ROG 公式
Photo: Daniel Eliashevskyi on Unsplash

